乳がんの放射線治療で心疾患リスク高まる
医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(NEJM)が13日掲載した欧州での大規模研究結果によると、乳がんで放射線治療を受けた女性では心筋梗塞やその他の重大な冠状動脈事象のリスクが高まることが明らかになった。
リスクは治療後5年目に高まりはじめ、少なくとも20年間続き、照射された放射線量が多ければ多いほど重大な心疾患に結びつく可能性が高くなるという。
乳がん専門家らは、現在の放射線による治療は研究対象となった女性の多くが治療を受けた時に比べて的を絞った照射が可能になり、周囲の組織へのダメージが少なくなっていると指摘した。また、研究結果が示唆しているのは放射線治療を受ける患者を減らすべきだということではなく、心臓疾患要因のリスクをできるだけ注意深く管理すべきだということだ、と指摘した。
同研究についての論説を執筆したデイナ・ファーバーがん研究所(ボストン)の心臓医ジャビッド・モスレヒ氏は「この問題を文脈の中で捉えることが大事だ。放射線やその他の治療の進歩によって多くの女性乳がん患者が生き延びられるようになったためにこの問題が大きくなってきたことが背景にある」と強調した。
http://news.goo.ne.jp/article/wsj/life/wsj-20130314-02.html