寒いと発汗量が減るせいか、どうしてもトイレに行く回数が多くなる。しかし、会議中だったり移動中だったり、トイレというのはいつでも行けるものではない。時にははちきれそうな膀胱を気合で押さえつけなければならいことだってある。
…でも、おしっこを我慢しすぎると膀胱炎になるとも耳にするけど、本当なのだろうか? 新宿ライフクリニックの須田隆興先生に聞いてみた。
「これはあり得ると思いますよ。ただ、我慢すること自体が直接的に膀胱炎につながるのではなくて、排尿による自浄の機会が減ることが問題なんです」
膀胱とはご存じの通り尿を溜める部位で、内側が粘膜でできた袋状の器官のこと。筆者はてっきり、膀胱いっぱいに尿を溜め込むこと自体が炎症を起こす原因になるものと思っていたが、どうやらそうではないらしい。
「一般的に多いのは単純性膀胱炎と呼ばれる症例で、これは大腸菌などの雑菌が尿道から膀胱に到達し、増殖することで起こる疾患です。排尿にはこうした雑菌を洗い流す働きがあり、膀胱炎患者への指導として、水をたくさん飲ませて排尿を促進させることがあるほどです。つまり、排尿を我慢するということは、自浄の機会を減らし、むやみに間隔をあけることにつながるため、膀胱炎のリスクを高めることになるわけです」
ちなみに、膀胱炎は女性の方がなりやすいらしい。それはいったいなぜか?
「構造上、肛門と尿道の位置が近い女性の方がかかりやすいのは事実です。また、尿道そのものも女性の方が短いので、外界からの雑菌がアプローチしやすい側面もあるでしょうね」
おしっこを我慢することには、少なくとも医学的には百害あって一利なしだと須田先生は語る。尿道を清潔に保つためにも、あまり我慢しすぎない方がよさそうだ。
http://news.goo.ne.jp/article/r25/life/r25-20121218-00027193.html