「うちの子は人前に出ると恥ずかしがって何もしない」、「5歳になるのにおむつがとれない」など、子どもの悩みはつきないもの。今のままではダメだ、どうしたらよいのだろう……と悩む保護者に、コーチングのプロ・石川尚子氏はこうアドバイスをする。
***
わたしが学生だったころ、サークルの先輩でいつも遅刻をしてくる時間にルーズな先輩がいました。朝も起きられず、授業もたびたび欠席、とうとう留年までしてしまいました。「就職したらきちんと会社に行けるのかな?」と、後輩にも心配されるほど。しかし、社会人になると別人のように、毎朝、定時に出勤できる人に変身しました。
わたし自身、幼稚園のころは「みんなの前で話してみましょう」と言われても、下を向いて黙ってしまうような子どもでした。でも、今は大勢の人の前で講演をする仕事をしています。人はどう変わるかわからないものです。また、それは年齢に関係のないものだ、とさまざまな事例を見るたびに痛感します。
世の中の保護者の方々は、わが子の成長に非常に敏感です。そのこと自体はとても素晴らしいことですが、今日と明日くらいまでのことしか見ていないように感じます。「今、できない」から「今のままではダメだ」という見方では、子どもたちにとっても、子育てをしている保護者にとってもよいことがありません。
目先の「できた」「できない」にとらわれずに、視点を遠くに置き、長い目で見ることが、より子どもの可能性を広げ、子育てをもっと楽しめるのではないでしょうか。
http://news.goo.ne.jp/article/benesse/life/education/benesse-5294.html