[ カテゴリー:子ども ]

家電製品を分解する授業が引き出す、子どもたちの無限のポテンシャル

NHK Eテレ『Rの法則』や『社会のトビラ』を担当する、NHK制作局 第一制作センター 青少年・教育番組部チーフ・プロデューサーの桑山裕明氏。全国の学校、授業を取材する中で「こんな先生に教えてほしい」と思う先生がいるという。今回は「本物に触れること」をモットーに小学6年生に理科を教える、福島県のNa先生を紹介しよう。

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Na先生の授業は、本物の家電製品を分解することから始まりました。目的は電磁石を探し出すこと。
先生は、保護者や地域の人に呼びかけて使い古しの電気製品を集めました。ラジオ、掃除機、ビデオデッキ、扇風機、FAXなどなど。子どもたちは、これらの廃品家電の中から、一人1個分解します。ドライバーでネジを一つひとつ外したり、力ずくで外したり。工具を使ったことのない子どもも多くいます。

子どもたちは製品を分解して、次々と電磁石を発見しながら、その働きと応用範囲の広さを目の当たりにします。電磁石が、電気という目に見えないものを見える力にすることを通じて、暮らしに欠かせない科学の力に気付くのです。

電磁石の活躍がわかったら、次は電磁石を使ったおもちゃ作りに挑戦です。まず一人ひとりがコイルを巻いて電磁石を作ります。この過程で、エナメル線を巻いた数が多いほど強力な磁力を発揮することを体感します。目には見えないことを体で理解した経験が、モノづくりの試行錯誤の原動力になります。子どもたちは、ペットボトルを使ったモーター、紙コップを使った簡易マイクなどを作り出しました。

電磁石の仕組みと働きをしっかり理解することで、子どもたちの想像力は広がっていきました。無限のポテンシャルの一端を垣間見た瞬間です。本物が持つ情報量や説得力のパワーを生かし、子どもたちの可能性を信じ授業設計すること、これはよい先生の条件の一つだと思います。

http://news.goo.ne.jp/article/benesse/life/education/benesse-5288.html

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