仕事が得られないと、再犯率は約5倍に――。刑務所などを出て「保護観察」となった後に再び犯罪をした率を調べたところ、仕事の有無が立ち直りに大きな影響を与えている実態が浮かび上がった。法務省の研究機関「法務総合研究所」が16日に公表した今年の犯罪白書で明らかにした。
刑務所や少年院を出たり、執行猶予付きの判決を受けたりして、2002~11年に保護観察を終えた計約43万8千人を対象に、新たな犯罪で逮捕されるなどして保護観察が取り消された人の割合を調べた。有職者約34万人の再犯率が7.4%だったのに対し、無職者約10万人は36.3%と大幅に上回った。
保護観察が終わった時点で仕事がない人はこの10年間、2割前後で推移。11年は24.1%にあたる約9千人が無職で、出所者らが仕事を見つけることが依然、厳しい状況にある。
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/life/medical/K2012111603750.html