◇「人生かける」
脳性マヒのお笑いコンビ「脳性マヒブラザーズ」が、心身障害者のパフォーマンス集団「こわれ者の祭典」を今月で卒業する。7年間在籍してきたが、「障害者ではなく、芸人として勝負をしていきたい」という思いから決意。今後はお笑い芸人としての活動に専念するという。同集団所属として新潟での最後の出演は、祭典10周年を記念して今月16日に開かれる「こわれ者の祭典ダイナマイト」で、22日に東京で卒業公演がある。
同ブラザーズは、いずれも新潟市のDAIGOさん(39)と周佐(しゅうさ)則雄さん(37)。2人はそれぞれ単独で祭典に参加していたが、DAIGOさんの呼びかけで05年に結成された。同祭典の他、所属する新潟お笑い集団「NAMARA」のライブなどに出演。10年にはNHKの障害者お笑いコンテスト「SHOW-1グランプリ」で優勝するなど知名度を上げている。
だが、「障害があっても頑張っている」という見方ばかりされることに違和感もあったという。また、都内で開かれているライブなどに出演する機会も増え、自分たちがなかなか笑いがとれない現実や、他の芸人たちの意識の高さなどに触れ、より笑いを極めたいと思うようになったという。DAIGOさんは「目立つことやお笑いが好きで芸人を目指したが、自分が思ったよりずっと難しい世界だった」と話す。
現在は、元お笑いコンビ「ちびっこギャング」の藤井一男さん(53)=新潟市=に笑いを学び、修業に励む。藤井さんは「人を笑わすのは健常者でも難しい。努力しかない」と2人を励ます。周佐さんは「もう年も年だが、人生をお笑いの道にかけてみたい」と決意を語る。
2人が出演する「こわれ者の祭典ダイナマイト」は16日午前10時から、市総合福祉会館(同市中央区八千代)で開かれる。卒業記念公演は22日午後1時半から、東京都新宿区のライブハウス「新宿ロフトプラスワン」で行われる。問い合わせは、いずれも実行委(080・6618・8806)。
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