【AFP=時事】中国で発がん性物質を含む粉ミルクが見つかり、生産した湖南亜華乳業(Ava Dairy)が生産停止命令を受けていたことが分かった。中国国家品質監督検査検疫総局(国家質検総局、General Administration of Quality Supervision, Inspection and Quarantine)が23日発表した。
国営新華社(Xinhua)通信によれば、湖南亜華乳業が前年7月~12月に生産した製品から高レベルの発がん性物質アフラトキシンが検出され、同社は対象製品のリコールを開始した。
国家質検総局は、問題の粉ミルクは主に湖南(Hunan)省や広東(Guangdong)省のスーパーマーケットで販売されたとしている。
世界保健機関(World Health Organization、WHO)によると、アフラトキシンはカビの生えた餌を食べたウシの牛乳から見つかる毒素で、肝臓がんなどの発がんリスクを高める恐れがある。
中国では過去にも食品の安全がたびたび問題になっており、政府は国民の不安を取り除き政府への信頼を取り戻すべく、違法食品の取り締まりを強化している。
1か月前には、乳製品メーカーの伊利(Yili)が生産した粉ミルクから高レベルの水銀が検出され、リコールにつながった。前年12月には中国の乳製品大手、中国豪牛乳業(China Mengniu Dairy)の牛乳からもアフラトキシンが検出されている。
2008年にはたんぱく質を豊富に含んでいると見せかけるため、粉ミルクに工業用化学物質のメラミンを違法に添加する事件が起きた。汚染されたミルクを飲んだ乳児6人が死亡し、30万人が健康被害を受ける中国最大の食品問題になった。
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