二日酔いだと口にすると、友人たちは「迎え酒」か脂っぽい食べ物を勧めるだろう。飲んだくれのような気分にはどう対処したらいいのだろう。カウンセリング企業イントクシコンのディレクターで、『The Doctor’s Hangover Handbook: The Intelligent Person’s Guide to Curious and Scientific Facts About Alcohol and Hangovers』(仮題:医者の二日酔いハンドブック:アルコールと二日酔いに関する興味深い科学的事実への知識人の指針)の著者、ジョン・ブリック氏に尋ねてみた。
迎え酒は一部の人々には二日酔いに効果
「迎え酒」、つまりもっと飲むことは役に立つのか?
一部の人々には「迎え酒」は効果がある。彼らにとって二日酔いは実際、アルコール切れ状態の始まりで、最も単純な「対処法」はアルコールを飲むことだからだ。明らかに、これは勧められず、一段と深刻な問題の兆候である可能性もある。
朝食をたっぷり食べるのはどうだろう。脂っぽければ脂っぽいほど良いのか?
これは迷信に過ぎない。朝食向けのカフェを経営しているなら、この迷信の恩恵を受けることになるだろうが。
お酒を飲んでいる最中や後に水を飲むというのはどうか?
アルコールには利尿作用がある。これは水分の保持を調節するホルモンを抑制する。つまり、トイレに行く回数が増え、脱水状態は通常の細胞の機能を妨げる。水がその分を補う(あるいは、少なくとも相殺する)。また、水を飲んでいれば、アルコールを飲む速度が落ち、アルコールの全体の消費量は減少する可能性がある。いずれにしても、二日酔いは最小限に抑えられる。
脂っぽい朝食が二日酔いに効くというのは迷信
アルカセルツァー(頭痛などに効く発泡錠剤)はどうだろう?
ベーキングソーダは酸性になり過ぎた胃を中和するのに役立つ可能性がある(アルコールは胃酸の分泌を高める)。また、アスピリンはたいていの人にとって二日酔いの一部である頭痛の緩和に役立つだろう。しかし、アスピリンに敏感な体質だったり、胃の出血や潰瘍の経験がある人はアスピリンは避けるべきだ。
他の市販の鎮痛剤はどうか?
定期的に二日酔いになるほど頻繁かつ大量にアルコールを飲むのであれば、タイアノールのようなアセトアミノフェン(ほとんどの風邪薬などに含まれている一般的な解熱剤の成分)を含む鎮痛剤は避けるべきだ。大量のアセトアミノフェンとアルコールを一緒に取ると、肝臓障害を起こす可能性がある。アスピリンに対するアレルギーや過敏症がなく、定期的にアルコールを飲むのでなければ、大半の人々にとって良い選択と言えるかもしれない。アセトアミノフェンの摂取については自分の医者に相談するように。
1杯の濃いコーヒーはどうだろう?
通常コーヒーを飲む人々にとっては、コーヒーを飲まないとカフェイン切れを起こしかねず、それは二日酔いの悪化の原因となる。従って、1杯のコーヒーは全く飲まないより良いだろう。しかし、コーヒーを飲むと血管が収縮し、これにより二日酔いは悪化する。従ってどっちもどっちといったところだ。
ココナッツミルクが今、大流行りだが、二日酔いに効くのか?
他の物質で補強されていない限りはおそらく効果がない。成分の94.2%は水なので、お酒を飲む人々には電解質を補給するゲータレードか何かのスポーツドリンクのほうが効くだろう。
今まで聞いたなかで最も奇妙な二日酔いの「治療法」は?
たくさんあるが、半分に切ったレモンをグラスを持つ方のわきに挟んでこするというのは奇妙な「治療」リストのなかでも上位だ。
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_450862?reflink=Goo&gooid=nttr