臓器や皮膚に肉芽腫と呼ばれるしこりができ、死亡するケースもある難病、サルコイドーシスがニキビの原因でもあるアクネ菌によって引き起こされるとみられると、江石義信東京医科歯科大大学院教授らの研究チームが発表した。18日付の米国・カナダの病理学会誌(電子版)に掲載された。
江石教授は、ステロイドを用いる現在の治療は副作用も大きいとして、「アクネ菌への抗菌剤を使う新治療の臨床研究を行いたい」としている。
肉芽腫は、体内に入った細菌などの拡散を防ぐため、免疫細胞が菌を取り囲むように集まってできる。内部にある菌が、肉芽腫が形成されるきっかけとなる物質と考えられており、研究チームは肉芽腫内にアクネ菌を確認した。
患者のリンパ節からアクネ菌が検出されることは分かっていたが、皮膚に常在する他のアクネ菌が混入した可能性が否定できなかった。江石教授はアクネ菌に反応する抗体を開発し、患者196人から採取したリンパ節と肺の組織に添加して顕微鏡で観察。肉芽腫内に、抗体が反応する円形の物体が多数存在することを突き止めた。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120519-00000013-jij-soci