痛風の原因となる高尿酸血症の約3割は、腸管(小腸)の排出機能が低下して引き起こされることを東京大、東京薬科大などの研究チームが突き止めた。
腎臓にばかり目を向けてきた従来の考えに見直しを迫るもので、新しい治療薬の開発に道を開く成果という。
英科学誌ネイチャー・コミュニケーションズに4日掲載される。
チームは患者644人の尿を調べ、痛風原因遺伝子として知られる「ABCG2」が高尿酸血症に大きく関与していることを確認した。同じ遺伝子を操作して症状を再現したマウスで詳しく調べた結果、こうした症状のマウスでは、腎臓から尿酸を排出できても、腸管から便への排出機能が半分以下に減少、尿も含めた排出量全体として約2割減ってしまうことがわかった。
高尿酸血症は現在、腎臓の尿酸排出能力が低下する「排泄はいせつ低下型」と、体内で尿酸を多く作り過ぎる「産生過剰型」に分類されており、その混合型も多い。
今回の結果で、産生過剰型の多くは尿酸を作り過ぎるわけではなく、腸管の機能低下が原因と考えられるという。
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/life/medical/20120404-567-OYT1T00168.html