これならできる!働く人のための、家ごはんテクニック(5)
志水あい しみずあい
健康ライター・管理栄養士
いつも週に何日くらい家で夕食を食べていますか?
仕事が忙しくなるほど外食が増える方が多いのではないでしょうか。それでなくても忙しい時期は、体調を崩しやすいタイミングです。
不調の原因の多くは、栄養バランスの乱れ。そのため、不足しがちな栄養素を補えば予防・改善できます。外食でも栄養バランスは整えられますが、それよりも簡単・手軽なのが家ごはんです。忙しくて休む暇がないときほど、自炊をして健康を管理しましょう。
■体調は食べ物でコントロールできる!?
時折、「疲労回復にはビタミンB群を摂るとよい」「風邪にはビタミンCが効く」などと、栄養素は不快な症状をなくしてくれる薬のように表現されます。実際に摂取すると効果はてきめん。薬ではないのに薬のような効果が得られる場合があります。このように効果が得られるのは、それらの症状が栄養不足で起きていることが多いからです。
日頃から栄養バランスを意識して過不足がないように食べること。それが常にベストコンディションを維持するための秘訣です。よい仕事をしたいビジネスパーソンにとって健康管理は仕事の一部。体調を整えるだけでなく、仕事のスケジュールを予定通りこなしたり、ここぞというときに力を発揮したりする体力も必要です。なりたい自分になるために、毎日の食事は上手に選びましょう。
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栄養不足で起こる体調不良
●疲れ:ビタミンB群が不足すると、疲れやすくなったり回復が遅れたりします。レバー、豚肉、うなぎなどのほか、玄米や胚芽米、雑穀のような精製度の低い穀物に含まれています。
●風邪:風邪対策に効果的なのはビタミンA・C・E。なかでもビタミンCは、ストレスによって消費されやすいのでこまめに摂取を。野菜や果物、いもに多く含まれています。
●貧血:だるさや倦怠感が続くときは要注意。全身に酸素を運ぶ働きをする鉄が不足している可能性があります。レバーや赤身の肉や魚、ひじき、小松菜、大豆製品に含まれています。
●むくみ:何らかの病気でない場合は、塩分や水分の摂りすぎなどが原因。解消にはナトリウムの排泄を促すカリウムを。野菜や果物、大豆製品、いもなどいろいろな食材に含まれています。
●便秘:栄養素ではありませんが、食物繊維の不足が考えられます。水分をしっかりと補給すると改善されることも。食物繊維は、植物性食品に豊富に含まれています。
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■笑う門には福来る
外食でも体によいものを選んで食べるのは可能です。でも、外食は食材ではなく料理で店選びをすることが多いので、食べたい食材が食べられない場合も。その点、家ごはんなら思い通りの食材が食べられるので体調管理がしやすくなります。
残業などで遅くなるときは、夕方におにぎりを1~2個食べておき、帰宅してから体に必要な食材を食べます。それも難しいときは、休日にまとめて補給しましょう。
日常的な栄養バランスの乱れをリセットするには、不足しがちなビタミンやミネラルが補える野菜、海藻、きのこを使う料理を。ゆで野菜の缶詰や冷凍食品、切り干しだいこん、干ししいたけ、カットわかめなどの乾物をストックしておくと便利です。
家ごはんは、食費が節約できたり体調を管理できたりと、いいこと尽くし。家族団らんの機会が増えれば、みんなの笑顔も増やせます。「笑う門には福来る」の言葉通り、笑顔は幸せを引き寄せる力があり、健康づくりにも欠かせない要素の一つです。自炊をするのが難しいときなどは、笑顔になるのを目的に家ごはんを楽しんでみてはいかがでしょうか。
http://news.goo.ne.jp/article/jinjour/bizskills/healthcare/jinjour_53344.html