受験シーズン真っ盛り。親にとって、どうすれば子供が勉強をするようになるかということは頭の痛い問題だ。必ずやってくる受験という現実は、決して待ってはくれない。子供をやる気にさせるポイントを専門家に聞いた。
◆有酸素運動に効果
東京理科大客員教授で、『子供がヤル気を出す家庭の秘密』(角川oneテーマ21、760円)の著者、吉田たかよしさんは「親が子供の心に寄り添うことが大切」と強調する。子供をよく観察することが第一歩。「良いことをしたら褒める」「悪いことをしたら叱る」が基本で、「親が子供を褒める効果は絶大だ。『守られている』という安心感につながり、やる気になる」と話す。
親が「あれをやれ」「これをやれ」と言うのは逆効果で、子供は「言うのは簡単だがやるのは大変」と反発してしまうため、注意が必要だ。
勉強する際には、ジョギングなどの有酸素運動が効果的で、勉強の前に体を動かすのがより有効だという。その際は、心拍数をしっかり上げる▽体への負荷が持続する-がポイントとなる。
早朝の時間を活用するのもコツで、吉田さん自身も受験勉強の際には午前3時に起きて勉強していた。「集中力が高まるし、一日のリズムが正しくなり睡眠の質も高まる」と話す。
◆「やりきる」大切さ
中学受験の個別指導教室「SS-1」(東京都目黒区)の小川大介代表は、父親が積極的に教育に関わることを勧める。「子供には本人も母親も気づいていない長所が必ずある。父親ができるだけたくさん見つけて言葉にすれば、やる気を引き出せる。物理的にも心理的にも一定の距離が生じる父親だからこそできることだ」と説明する。
小川代表は「父親は母親のサポーターであれ」とも提言する。そのためには、子供に向かって「お母さんが○○と褒めていたよ」と間接話法を使って伝えることが有効で、やる気を生む安心感につながるという。
子育て世代は働き盛り世代で、父親が勉強を見てやるのは難しいという現実もある。小川代表は「父親が仕事に向かう姿勢を見せると良い。最後までやりきる大切さが伝わるはずだ。誇りを持って仕事に取り組む姿勢を見せることは、迷いなく勉強に取り組むことにきっとつながる」と話している。
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