災害発生時に高齢者や障害者など支援が必要な人を受け入れる「福祉避難所」を、道内約8割の144市町村が指定していないことがわかった。10日の道議会保健福祉委員会で船橋利実議員(自民党・道民会議)の質問で道が明らかにした。道は今後、指定を市町村に働きかける一方、施設ごとの受け入れ可能人数の実態調査を進める方針。
道の調査によると、昨年10月末現在、未指定の144市町村のうち、116市町村は指定を検討中だったが、28市町村は「適切な施設がない」などの理由で指定する予定がなかった。一方、福祉避難所を指定しているのは35市町村で計145施設。内訳は、98施設が小中学校や公民館で、障害者施設や高齢者施設などの福祉施設が47だった。
東日本大震災後の4月末現在の調査では、すでに指定を終えていたのは28市町村で、道は昨年夏から、避難所で必要な食料や備品の助成や、施設に人材を派遣する制度を作ったが、7自治体しか増えなかった。
道の手引では、福祉避難所は災害に強く、バリアフリー化されている社会福祉施設や公共施設を指定。開設時には、約10人に生活相談職員1人を配置するよう求めている。