魚介類に多く含まれる「DHA」は、血中の中性脂肪量を減少させることで心臓病の発症を抑制するなど、健康維持に欠かせない栄養素のひとつだ。また、胎児や乳幼児の発育に必要な栄養素でもあり、母乳や粉ミルクの供給源としての役割も担っている。
育児関連商品および機能性食品を提供するビーンスターク・スノー株式会社は、10月より全国で「ビーンスタークマム 母乳にいいもの 赤ちゃんに届く DHA」を発売する。
これは、日本人の魚介類摂取量が年々減少しており、母乳にも影響を与えている(同社研究)ことを受けて開発されたもの。1日分の3粒には、カツオ(秋獲り)の刺身2切れ半と同量の DHA が含まれ、母親は手軽かつ安心して DHA を摂取できる。
今回、同商品の発売を記念してビーンスターク・スノーは、調査会社の株式会社イードと共同で「授乳に関する意識調査」を実施し、結果を発表した。調査対象は、出産・授乳経験がある20~50代の女性で、有効回答数は520サンプル(20代66名、30代208名、40代123名、50代123名)。調査期間は2011年9月5日~2011年9月7日。
■ 8割の母親が望む「母乳中心の授乳」を実践できているのは5割
授乳期に最も気を使うのが、子どもに与える母乳とミルクのバランスだ。「出産前に母乳とミルクをどのような割合で育てたかったか」を聞いたところ、「完全母乳」が58.3%、「母乳とミルクで母乳のほうが多い」が24.4%、「母乳とミルクがほぼ半々」が13.5%、「母乳とミルクでミルクのほうが多い」が3.3%、「完全ミルク」が0.6%だった。
続いて「母乳とミルクをどのような割合で育てたか」と実際の育て方について尋ねると、「完全母乳」が31.7%、「母乳とミルクで母乳のほうが多い」が21.2%、「母乳とミルクがほぼ半々」が13.7%、「母乳とミルクでミルクのほうが多い」が31.2%、「完全ミルク」が2.3%。出産前には全体で8割の母親が母乳を中心(完全母乳、母乳のほうが多い)にしようと考えていたものの、実際に母乳中心の授乳を実践できたのは全体の5割に留まり、母乳で育てることの難しさが浮き彫りになった。
■ 授乳中に気をつけたこと1位は「栄養バランスの良い食事」―しかし実践は難しい?
授乳中の生活でどのようなことに気をつけたのかという質問では、「栄養バランスの良い食事」(72.9%)が最も回答が多く、世代ごとの割合で最も高かったのは40代の82.1%、最も低い20代でも66.7%を占めた。
しかし、「授乳中にバランスがとれた食事を実践できたと思うか」という質問に対して、「はい」と回答したのは56.9%で、栄養バランスのとれた食事を意識するものの、実践はなかなか難しかったようだ。世代別で見ると、50代では7割が「実践できた」と回答するも20代では5割まで下がり、若い世代の方が栄養バランスのとれた食事を実践できていなかった。
■ 授乳期に思うように食べられない食品は「魚」―半数以上が摂取を「あきらめた」
続いて「授乳中に摂取を心がけた食品」を挙げてもらったところ、上位から順にトップ3は「野菜」「魚」「乳製品」で、「授乳中、思うように摂取ができなかった食品」を尋ねると「魚」「野菜」「くだもの」の順となり、同じ食品がトップ3入り。「魚」を挙げた理由としては、調理や購入に関する生活環境的な要因が多く、「心がけたけれども十分に摂取できなかった」という実態が明らかになった。
そこで、「授乳中、思うように摂取ができなかった食品はどのように摂取して(補って)いたか」と尋ねると、半数以上(54.6%)が「あきらめた」と回答し、30代・40代はともに6割を超えた。一方、20代で「あきらめた」と回答したのは35%と全世代の中で最も低く、できるだけ食材を購入したり、サプリメントで補うなどの対応をしていた。
同調査の総評では、胎児や赤ちゃんの発育に欠かせない DHA が母乳脂質中に占まれる割合は、母親の魚の摂取量で変化すると説明した上で、「魚を食べたくても食べられない」母親でも十分に摂取できるようにすることが、授乳期の母親にとって大きな課題だとしている。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111003-00000021-inet-inet