19日のニューヨーク外国為替市場で戦後最高値となる一時1ドル=75円95銭を付けるなどしている円高水準は、県内の企業にも影響を与えている。輸入品を販売する店舗や旅行会社は「追い風」と前向きにとらえるが、輸出関連企業からは先行きを不安視する声が上がる。【畠山哲郎】
◆還元セールも
長岡市の「イトーヨーカドー丸大長岡店」は、24日から30日まで円高還元セールを実施。外国産の果物や豚肉、海産物を2割程度安く売り出しているほか、輸入品の炊飯器やポットなどについても、6割引きで販売している。
池田和義副店長(48)は「円高は安く提供できるので追い風になる」と話す。国の暫定規制値を超える放射性セシウムが検出された岩手県産の牛肉を売っていたことが8月に入り判明し、客足に響いていたといい、円高セールでの回復に期待を寄せる。
◆韓国旅行人気
新潟空港発着の海外旅行ツアーを扱う新潟市の旅行会社「新潟トラベル」。東日本大震災後は予約状況が低迷していたが、7月に入り急激に昨年並みの水準に戻ったという。
特に人気なのが韓国へのツアー。円高により現地で安く買い物ができることなどが要因と考えられるといい、同社はしばらくはこうした傾向が続くのではとみる。
◆先行きを注視
欧米などにステンレス製の包丁を輸出する燕市の「吉田金属工業」。輸出業自体は代理店が行い、直接的な影響は今のところはないが、担当者は「円高になれば割高になる。これが長い間続けば当然影響が出てくるのでは」と話す。
自動車部品を国内メーカーに販売している三条市の三條機械製作所の担当者は「メーカーが自動車を海外にも輸出しており、今後影響が出てくる可能性があるので、動向を注視していきたい」としている。
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