身分証明書を紛失するなどした東日本大震災の被災者に対する特例措置を悪用し、虚偽の名前などを申告して銀行口座を不正に開設したとして、埼玉県警が会社員の男を詐欺容疑で逮捕していたことが18日、わかった。
被災者になりすました口座の不正開設が摘発されるのは全国で初めて。
捜査関係者によると、逮捕されたのは、住所不定、早津克至容疑者(24)で、東京都新宿区の銀行で4月11日、被災者を装い、岩手県大船渡市の住所と架空の名前を申告して口座を開設し、通帳をだまし取った疑い。県警は近く、同じ銀行の別支店で口座を取得した疑いで再逮捕する。
早津容疑者は新潟県出身で、大船渡市に住んだことはなく、調べに対し「頼まれてやった」と供述している。早津容疑者が起こしたとみられる詐欺事件は10件ほど確認されており、県警は転売目的とみて調べている。口座名義はいずれも架空人物で、現在の居住地は都内の「早津方」としていた。連絡先が同一の携帯番号だったことなどから、銀行側が警察庁に連絡。JR大宮駅で子供用切符で改札を通ったとして、県警が軽犯罪法違反容疑で書類送検した早津容疑者の携帯電話の番号が、銀行が連絡した番号と一致し、捜査していた。
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