厳しい暑さが続き、乳幼児のいる家庭でも熱中症に注意が必要だ。こまめに水分補給をし、ぬれタオルで体を拭くなど予防を心がけたい。
■こまめに水分、ベビーカーでも帽子
総務省消防庁のまとめによると、6月に熱中症で救急搬送された人は6980人で、昨年同期の約3倍。乳幼児は76人だった。また、暑さが厳しさを増した7月4日から10日までの1週間で、4520人(うち乳幼児は46人)が搬送された。
育児用品メーカー「ピジョン」の育児講習会では、エアコンの使い方を説明している。室温設定を28度前後にし、扇風機を併用する。扇風機の風が赤ちゃんに直接当たらぬよう、壁や天井に向けるとよい。
講師を務める同社の管理栄養士、中鉢紋乃さんは、「母乳なら赤ちゃんが欲しがるだけ与えてください。離乳食開始後の乳幼児は、水や麦茶でこまめに水分補給を」とアドバイスする。
散歩などの外出も日中の暑い時間帯を避けた方がよい。東京都文京区の細部小児科クリニック院長、細部千晴さんは、「散歩をさせるなら、気温の高くない朝のうちがよいでしょう」と話す。
服装は服に汗を吸わせるため、袖なしではなく半袖を着せて、こまめに着替えさせる。乳幼児は頭にも汗をたくさんかくので、日よけのあるベビーカーに乗せている時も、汗を吸う素材の帽子をかぶせた方がよいという。ぬらしたタオルで、首回り、わき、ひじやひざの内側などを拭いてやることも、皮膚温を下げる効果があるという。
たくさん汗をかいた時には、塩分の入った「経口補水液」を与えて応急処置をする。薬局などで手に入る。「尿の回数が少ない、ぐったりしているという時は、医療機関を受診して」と細部さんは話す。
熱中症予防に関心が集まっていることもあって、育児用品を扱う「アカチャンホンポTOC店」(東京)では、ベビーカーにつけるマット(1680円)や保冷剤を取り付けられるタオル素材のマフラー(580円)など、暑さ対策グッズも売れている。アスファルトの地面が熱せられて、ベビーカーに乗った赤ちゃんは高温にさらされるため、座面が通常商品より5センチほど高いベビーカーも人気だという。
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