佐渡市内で今季営巣した放鳥トキのペアの巣の下から回収した卵の殻を調査した新潟大学のプロジェクトチームは28日、県庁で記者会見し、調査した計7個の卵のうち2個が有精卵だった可能性があると発表した。放鳥されたトキの卵で有精卵の可能性が確認されたのは初めて。
調査した同大の杉山稔恵准教授(動物生産学)によると、営巣した7組の巣の下から回収された約30個の卵の殻うち、7個について血液検査を実施。2組の卵2個に血液が付着していた痕跡がみられた。このため同大は有精卵だった可能性が高いとみている。
この2組は環境省が交尾を確認していたペアで、うち1組は最も交尾回数が多く、ふ化の可能性が高いとされていた。プロジェクトリーダーの山岸哲・同大特任教授は「野外に出たトキは受精卵を産む力がないのではないかという懸念もあったが、飼育下でも受精率は低い。うまくいくペアとそうでないペアがいるので、今後も放鳥を続けてサンプルを増やしていかなければならない」と話した。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110629-00000131-mailo-l15