ビタミンが大切な栄養素であることはわかっているけど、毎日食事からとるのも面倒――。というわけで、もっぱらサプリメントに頼り切っている人が増えていますが、これ、実はちょっと問題らしいのです。
というのも、確かにサプリメントだと確実に必要なビタミンはとれますが、ややもすると摂取過多になりがちだからです。
え? ビタミンにとりすぎなんてあるの? と首をひねる方もいるかもしませんが、それがあるのです。
「量が毒となす」(ファラツェリス)という薬学や栄養学の根本となる言葉がありますが、これはビタミン類も決して例外ではありません。
少々ショッキングな試験結果が米国医師会の学術誌『JAMA』に報告されています。長期的摂取が虚血性心疾患や脳血管障害の予防になるとされてきたビタミンCとEが、実はその事実はなく、しかもEについてはとりすぎることによって、逆に出血性脳卒中のリスクが高くなることが明らかになったのです。
これはハワード・D・セッソ氏らが約1万5000人の米国人男性医師を対象に8年間追跡調査したもので、疫学調査としてはかなり大規模。それだけ信頼性は高いということが言えます。
試験は医師を「ビタミンC+ビタミンE摂取群」、「ビタミンE+ビタミンC偽薬摂取群」、「ビタミンC+ビタミンE偽薬摂取群」の3グループに分け、それぞれ毎日一定量を飲みつづけてもらいました。
8年後に、実際の発症ケースをもとに分析したところ、ビタミンCもEも心筋梗塞などの心疾患や、脳卒中などの脳血管障害の抑制効果は見られなかったことが判明。さらに、Eを長期摂取しつづけた場合は脳卒中のリスクが1.74倍になることも明らかになったのです。
Cは水溶性のため、とりすぎてもどんどん体外に排出されますが、脂溶性のEは体内に残りがち。そのへんも問題なのかもしれません。いずれにしても、やはり栄養摂取は食品からが基本。
「サプリを飲んでいるから大丈夫」という安易な発想は改めたほうがいいようです。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20110608-00000000-diamond-bus_all