東日本大震災による農水産業の被災で、京都の学校給食にも影響が広がっている。野菜は地元や西日本産が中心で影響は少ないが、東北地方が主産地の海産物では漁港や加工場が破壊され、必要量の確保が難しい食材が出ている。担当者は食材の変更や外国産への切り替えなど、給食費の枠内で質と量の維持に知恵を絞っている。
京都市は6月の小学校給食に「サケの琥珀(こはく)揚げ」を予定していたが、サケの加工施設が被災していることが分かり、児童数の約7万食分は確保できないと判断。4月上旬に値段が変わらないタラへの変更を決めた。
市学校給食協会は「サンマは昨年12月に入札した本年度分は確保できているが、漁業の復興具合によってはサンマが給食に使えなくなる事態もありうる」と懸念する。沿岸部が壊滅的な打撃を受けた東北地方は水産業の一大拠点。岩手、宮城、福島3県のサンマ漁獲量は全国の3割、養殖ワカメは岩手と宮城両県で8割近くを占める。水産加工場の多くも被災し、冷凍の魚や練り製品などの供給でも支障が出ている。
京丹後市の担当者は「ワカメは鳴門産もあるが、入手しにくい状況。値段が上がれば使用量を減らすか外国産にしないといけない。旬を知る食育からも、秋のサンマも欠かせないのだが」と不安を口にする。木津学校給食センターの栄養教諭も「国産ワカメを使いたいが、韓国産に切り替えた。気仙沼の工場が被災し、サバの加工品が入らなくなった。週1回は魚を入れたいが、メニューに苦労している」と話す。
府内の給食用食材を調達する府学校給食会によると、ゼリーなどデザート類も容器やラベルを生産する工場が被災し、種類が減ったりラベルが無地になるなどの影響があった。
同給食会は「鶏肉は、岩手県が生産量全国3位で価格が4~9%上昇した。米も今後値上がりが心配だが、保護者負担が増えないように業者と交渉するなど努力したい」と話す。
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