男子なら誰もが一度はあこがれたロボットの操縦-。そんな夢をかなえてくれる企業が群馬県内に存在する。榛東村新井にある産業機械メーカー「榊原機械」だ。同社ではアニメや映画に出てきそうな3メートルを超える搭乗型ロボットや乗り物を製造、販売しているが、インターネット上で話題となり、国内外から問い合わせが殺到している。(西村利也)
同社の倉庫の扉を開けると、ひと際巨大なロボットが目に飛び込んでくる。同社の知名度を高めるきっかけとなったすり足2足歩行で移動する搭乗型ロボット「LAND WALKER(ランドウォーカー)」だ。高さ3メートル40センチ、総重量1トン。250ccのエンジンを搭載し、時速1・5キロの“すり足”で歩行する。バルカンタイプとショットガンタイプのエア砲を2門搭載しており、標的に向けクッションボールを発射することも可能だ。
同社は「人が喜ぶロボット」をコンセプトに平成17年、ランドウォーカーを開発。ホームページに掲載したところ、欧州や米国のメディアが取り上げ話題を呼び、レンタルなどの問い合わせが殺到、知名度が急上昇した。昨年末には約3600万円で1台販売することができた。
さらに、20年には子供向けの操縦ロボット「KID’S WALKER(キッズウォーカー)」(約180万円)を開発。小学校の低学年でも簡単に操作できるのが特徴で、歩行以外にもアームを使い物をつかむことができる。
レンタルや試乗会に引っ張りだこの人気ロボットで、昨年末には8台売れた。
開発者の榊原豪さん(27)は「もっとロボットのバリエーションを増やし、多くの人に喜んでもらいたい」と開発に意欲を燃やす。現在、人が搭乗してロボット同士でボクシングを楽しむ「ボクシングマシン」の開発を進めている。
昭和47年設立の同社は、畜産飼料装置や堆肥(たいひ)化装置の製造・販売を主に手掛けてきた。加えて社員教育の一環としてロボットの開発・販売なども手掛けるようになり、近年、搭乗型ロボットの開発に成功。社員わずか10人の中小企業が垂涎(すいぜん)の的となった。
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