【豊見城】終戦後、米国産やカナダ産大豆の輸入に伴い、県内の畑から姿を消した沖縄在来種の大豆を復活させ、伝統食を取り戻そうと沖縄食と農を考える会(久手堅憲珍代表)が「ウフチジャーマーミ」など4種の大豆の栽培普及に取り組んでいる。趣旨に賛同する3団体、約30個人が2月上旬から大豆を栽培し、ことし6月に収穫する予定。
食と農を考える会は次の栽培普及へ大豆を確保するほか、島豆腐にして10月に開催される「第5回世界のウチナーンチュ大会」で来県する県系人へ味わってもらいたいと夢を描いている。
豊見城市に住む久手堅代表は「沖縄の人はかつて地場の農作物を食べていたから健康で長寿だったが、今は食生活の欧米化で長寿が危機にひんしている」と強調。「健康を取り戻すために、在来種を復活させ、大豆を活用した調理実習もして食育にもつなげたい」と栽培普及の狙いを語る。
久手堅代表の畑でも「ウフチジャーマーミ」「オーヒグー」「タカアンダー」が順調に生育し、房の中に小さな豆をつけている。同会は取り組みを「琉球ウフチジャーマーミ復活プロジェクトII」と位置付け、1月29日から活動を始めた。
栽培しているメンバーは、環境に負荷をかけず、安全な食物を食べるために無農薬で育て、化学飼料や除草剤を一切使用しないことを共通ルールにしている。22日には栽培しているメンバーが集まり、畑の環境や発芽の状況などについて情報交換する。
(高江洲洋子)
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