年賀状を出す前にチェック!新しい年を祝う言葉「賀詞」は、相手によって使い分けが必要です
知っているようで意外と知らないのが年末年始のマナー。年賀状や初詣、お年玉など、年末年始には古くからの行事や習慣、しきたりがたくさんありますが、「正しいやり方は知らない」「やっているけど理由は分からない」ということも多いはず。知らなくて恥をかいた...なんてことのないよう、年末年始のしきたりやマナーを「現代礼法研究所」主宰の岩下宣子先生に聞きました。 今回は、年賀状の冒頭に書くことの多い「賀正」や「謹賀新年」などの「賀詞」。定番の言葉をなんとなく使っているかもしれませんが、それが思わぬマナー違反につながることもあるんです。
目上の人には4文字で! 意外と知らない賀詞のマナー
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日頃お世話になっている方に、お祝いの言葉と新年の挨拶を伝える年賀状。
元旦に届くよう準備するのが理想ですが、松の内と言われる1月7日までに届けば、マナーとしては問題ありません。
年賀状には、新しい年を祝う言葉「賀詞」が使われますが、文字数にも意味があることをご存知でしょうか?
2文字だと「迎春」「賀正」、4文字だと「謹賀新年」「恭賀新年」などが定番ですが、年賀状を送る相手との関係性で使い分けが必要なのです。
「目上の方には4文字の賀詞を使うのがふさわしいとされています。一方、同じ立場か目下の人には2文字の賀詞を使うのが一般的。また、おめでたい言葉とはいえ、賀詞は重複して使わないこと。『謹賀新年』と『明けましておめでとうございます』は同じ意味なので、賀詞に合わせて文章の書き出しを変えるようにしましょう」(岩下先生)
文面には気を遣いつつも賀詞はなんとなく選んでいた、というかたも多いのでは? きちんと使い分けて、礼儀正しい年賀状に仕上げましょう。
文/さいとうあずみ
岩下宣子
「現代礼法研究所」主宰。NPOマナー教育サポート協会理事・相談役。30歳からマナーの勉強を始め、全日本作法会の故・内田宗輝氏、小笠原流・故小笠原清信氏のもとでマナーや作法を学ぶ。現在はマナーデザイナーとして、企業、学校、公共団体などで指導や研修、講演会を行う。『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(中経の文庫)、『相手のことを思いやるちょっとした心くばり』(三笠書房)など著書多数。近著に『77歳の現役講師によるマナーの教科書 本当の幸せを手に入れるたったひとつのヒント』(主婦の友社)。