今から考えておきたい「デジタル終活」-スマホの中の“見えない契約”で遺された家族が困らないために-
スマートフォンやパソコン等が普及した現代社会ならではの遺品として、「デジタル遺品*1」があります。スマートフォンでインターネットを利用する人は、20~59歳の各年齢層で約9割、60代で78.3%、70代が49.4%となっています*2。それに伴い、死亡時にデジタル遺品を残すことになる人が増えると予想され、デジタル終活の必要性が高まってきていると考えられます。
デジタル遺品の定義はありませんが、故人がネット上に保有していた資産のデータやサブスク*3を契約していた場合のアカウントなども含めてそう呼ばれています。デジタル遺品に関する相談の中には、遺族が契約内容の確認や解約をしたくても、ID、パスワードの手がかりがないために手続きに困るケースがみられます。
そこで、消費生活センター等に寄せられた、デジタル遺品に関する相談事例を紹介し、遺された家族が困らないようにするための「デジタル終活」について情報提供します。
今から考えてみませんか?デジタル終活 家族にトラブルをのこさないための対策4選[PDF形式](546KB)
*1 「デジタル遺品」には明確な定義はないが、本資料では、デジタル機器を通して確認できるデータやインターネットで契約したサービスのことを指し、パソコンやスマートフォンなどのデジタル機器そのものは含まない。
*2 令和5年通信利用動向調査の結果(令和6年6月7日)[PDF形式](総務省)
*3 サブスクリプション。定められた料金を定期的に支払うことで、一定期間、商品やサービスを利用できるサービスを指す。
相談事例
故人が利用していたネット銀行の手続きをしたくてもスマホが開けず、ネット銀行の契約先がわからない。
コード決済サービス事業者の相続手続きが1カ月以上たっても終わらない。
故人が契約したサブスクの請求を止めたいが、IDとパスワードがわからない。
相談事例からみる特徴
故人のスマホやパソコン等のパスワードがわからない場合、第三者がロック解除することは困難。
ネット上の資産は本人以外が実態を把握することが難しく、相続手続きに時間がかかることがある。
サブスクは解約手続きをしない限り請求が続いてしまう。
デジタル遺品の処理で困らないための事前の対策は?
-思い出は残しつつ、トラブルは残さないために-
万が一の際に遺族がスマホやパソコンのロック解除ができるようにしておきましょう。
ネット上の資産やサブスクの契約は、サービス名・ID・パスワードを整理しておきましょう。
エンディングノートの活用も検討しましょう。
自分自身に何かあったときに備えて、スマホ等のアカウントにアクセスできる人を指名できるサービスを活用しましょう。
本件連絡先 相談情報部
ご相談は、お住まいの自治体の消費生活センター等にお問い合わせください。