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レタスとサラダ菜ならどっち? 食材選びに迷う人へ―― 管理栄養士が唱える「健康コスパ」

 レタスとサラダ菜ならどっち? 食材選びに迷う人へ―― 管理栄養士が唱える「健康コスパ」

「普段の買い物で、食材選びに強くこだわるタイプではないです。ただ、家族4人の健康は考えますし、小学4年生と1年生の息子が体操教室に通っているので、やっぱり“少しでも体に良いものを”とは思いますよね」と語るのは、都内に住む30代で子育てしながら働く梶浦麻美さんです。あまりこだわらないと言いながらも、日々の食材選びに迷うことはあるといいます。実際の買い物に同行し、詳しい話を聞きました。

 ◇ ◇ ◇

買い物やメニュー選びで迷う時間が減らせた理由
「ひとつの食材でも種類が増え、近隣に店が複数あるのは便利と感じる一方、選択肢が多すぎて困ることもあります。いろんなものの値段が上がっているなか、単に安さや見栄えの良さなどで直感的に選ぶのも、ちょっと違う気がして……。それに子どもたちは好き嫌いが多くて、食の好みも違うなか、おいしく食べてもらうためメニューを考えるのが大変です」

そんな梶浦さんは、最近になって買い物や献立を考える時間が、少し減らせたと話します。

「子育てのため少し前まで専業主婦でしたが、また働き始めるときに家事の時短になることをいろいろ調べました。そのなかで『健康コスパ』という基準があるのを知って、買い物や料理の食材選びに役立てています。これまで漠然と考えていた栄養も、わかりやすい基準ができたことで食品表示などをよく見るようになり、興味や意識が強くなった感じです」

梶浦さんが取り入れた新基準「健康コスパ」とは
「健康コスパ」を提唱する管理栄養士の浅野まみこさん【写真提供:エビータ】

梶浦さんが参考にしているという「健康コスパ」とは、どういうものなのでしょうか。「健康コスパ」を提唱する管理栄養士の浅野まみこさんに、お話を聞きました。

「『健康コスパ』は普段みなさんが使われているコスパやタイパといった言葉にプラスして、“健康を軸にコストパフォーマンスを考えよう”という概念です」

浅野さんによると「健康コスパ」で、ポイントがわかりやすいのはヨーグルト。菌の種類によって見分けるのが重要だといいます。

「ヨーグルトは乳酸菌のみのものと、乳酸菌にプラスしてビフィズス菌が入っているもの、大きく2つに分けられます。どちらの菌も腸内環境を整えますが、乳酸菌が主に小腸で働くのに対して、ビフィズス菌は主に大腸で働き、食事からは摂取できない短鎖脂肪酸を生み出すことが特徴。乳酸菌だけのヨーグルトも良いですが、乳酸菌とビフィズス菌、2種類の菌が入っているヨーグルトのほうが、より健康メリットがあり『健康コスパ』が高いと言えるんです」

ヨーグルトに限らず、価格(コスパ)や買いやすさ(タイパ)が近い食材の場合、栄養など健康面のメリットがあるものを選びたい――。そう考える消費者にとって、「健康コスパ」はわかりやすい新基準といえそうです。

レタスとサラダ菜 似ているけれど健康コスパは違う
この日、梶浦さんが購入した食材。サラダ菜、ビフィズス菌入りヨーグルト、木綿豆腐、エクストラバージンオリーブオイル、鶏もも肉、豚こま【写真:Hint-Pot編集部】

そんな「健康コスパ」を取り入れている梶浦さんですが、判断に迷うものがあるそう。

「子どもたちは苦手なものでも、汁ものにすると食べてくれます。その具材でジャガイモと里芋では、どっちかな? と。今日の買い物では、子どもたちが生野菜は苦手でレタス1個では多いと思い、サラダ菜を選んでいます。レタスの代わりに、サラダ菜はありなのか? あと鶏肉をから揚げ用に、豚こまを豚汁用に買いました。鶏肉と豚肉では、どちらがいいのかな……とか」

浅野さんに聞くと「健康コスパ」に限らず、2種類の食品に含まれる栄養を比較した際、大きな差はないもの、明確に違いがあるもの、目的別に考えるべきものがあるといいます。梶浦さんの疑問が例になるとのことで、それぞれの栄養について解説してもらいました。

「2つの芋類に大きな差はなく、ジャガイモのほうが、食物繊維が豊富。里芋は粘性があって胃にやさしく、ジャガイモと比べるとカリウムも多いです。胃や腸の環境を整える点で、強いて選ぶとしたら里芋だと思います。

似た野菜ですが、レタスが淡色野菜に対してサラダ菜は緑黄色野菜。栄養価が大きく違い、ベータカロテンなどのビタミン、鉄やカリウムなどのミネラルがサラダ菜のほうが多いです。リーフレタスやサニーレタスも同様で、普通のレタスより『健康コスパ』が高いといえます。

鶏肉と豚肉は目的によって選ぶのが良いでしょう。鶏肉は、たんぱく質をとりつつ、脂質やカロリーが抑えられる食材です。豚肉はビタミンB1が多く、糖質の代謝をサポートする働きがあります。炭水化物を多くとる人はビタミンB1が不足しやすく、だるさや疲労感につながることもあるため、豚肉を選ぶといいですね」

「以前より食品表示をよく見るようになった」と話す梶浦さん【写真:Hint-Pot編集部】

さらに、栄養についての知識に自信がなくても、食材選びのコツはあるといいます。ポイントとして、加工食品などは食品表示を見るのがおすすめ。原材料は含有量の多い順に記載されるため、たとえばレトルトカレーなら、油脂などより豚肉やタマネギなど食材が先にあるもののほうが、具材がしっかり入っていると考えられるというのです。

「食品添加物を気にする人が多いですが、食品安全基準を満たしているのでナーバスになる必要はありません。ただ、素材はシンプルなほうが良いため、“食材以外の記載が少ないもの”と考えれば、判断しやすくなるでしょう。

『健康コスパ』は選択を楽にする基準のひとつ。意識しすぎる必要はありません。栄養や価格など、ほかにも食材選びで意識することはあり、選択基準のひとつとして便利に活用してください。食品表示を見るようになるだけでも栄養や健康への意識が変わり、結果的に『健康コスパ』の良い選択ができるようになっていくと思いますよ」

※この記事は、「Hint-Pot」とYahoo!ニュースによる共同連携企画です


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