[ カテゴリー:生活 ]

かぜ薬乱用 20歳未満に販売規制案

乱用のおそれあるかぜ薬、20歳未満への大容量・複数個の販売禁止へ

若者を中心に市販薬の乱用が広がっていることを受け、厚生労働省は乱用の恐れがあるせき止め薬やかぜ薬の販売規制を強化する。20歳未満には、大容量の製品や複数個の販売を禁じる。小容量を販売する際も、対面やビデオ映像・音声によるオンラインでの販売とする。

薬局やドラッグストアなどで医師の処方箋(せん)なしに購入できる、せき止め薬やかぜ薬の市販薬には、依存性のある成分を含み、乱用されやすいものがある。例えば、せき止めの有効成分コデインは、化学構造が医療用麻薬のモルヒネと似て、使い続けると、自分でやめられなくなる薬物依存になりうる。

厚労省はこれら6成分を含む製品を「乱用のおそれのある医薬品」とし、特別な販売ルールを設けてきた。販売は原則1人一つとし、中学生や高校生の子どもに売る場合、店側は氏名と年齢を確認しなければならない。

だが、ルールは徹底されていない。調査員が薬局などを訪問して販売状況を調べる厚労省の2022年度の調査では、24%の店舗で質問もされずに複数個を購入できた。

若年者による乱用も深刻だ。厚労省研究班の21年度の調査では、高校生の60人に1人(1・6%)が過去1年に市販のせき止め薬やかぜ薬を「ハイになるため、気分を変えるため」に乱用した経験があった。調査には全国80校の約4万5千人が回答。大麻などの違法薬物や、睡眠薬などの医療用医薬品に比べ入手しやすいことが一因とみられる。

こうした状況を受け、厚労省は、乱用のおそれがある医薬品の新たな販売規制を検討。案では、20歳以上に小容量製品を一つ売る場合を除き、対面または映像と音声でやり取りするオンライン販売に限る。20歳未満の場合は、店側に氏名や年齢を確認、記録させ、大容量製品や複数個の販売を禁じる。20歳以上か外見で判断できない場合、写真付きの身分証の提示を求めて確認させる。

 

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