はやり目とは 今秋から患者増 プール熱と同じウイルスが原因…症状は充血、目やに、かゆみ
Q 子どもが「はやり目」と診断された。どんな病気?
ヨミドック 医学的には「流行性角結膜炎」といいます。主に、白目の充血や目やに、かゆみ、頻繁に涙が流れるといった症状が出ます。
耳の前のリンパ節が腫れることもあります。重症化すると、黒目を覆う「角膜」が濁り、見えにくい状態が半年以上続く人もいます。
Q 何が原因なの。
ヨ アデノウイルスへの感染です。このウイルスは遺伝子配列の違いなどで100以上の型があり、目だけでなく、発熱や尿道炎など様々な症状を引き起こします。
プールの水を介して感染が拡大することが多い「咽頭結膜熱(プール熱)」もこのウイルスが原因で、のどの痛みや発熱の症状が強く出ます。
Q 流行する時期は?
ヨ プール熱と同様に、流行性角結膜炎も夏場に流行することが多いのですが、今年は9月頃から感染者が増えました。また、ここ数年は感染者数が低く抑えられていましたが、国立感染症研究所(東京)の発表によると、10月30日~11月5日の1週間で、1医療機関当たりの患者数は0・81人。長期間、全国的に流行した2018年に迫る数字となっています。
はやり目とは 今秋から患者増 プール熱と同じウイルスが原因…症状は充血、目やに、かゆみ
Q 治療法はあるの?
ヨ 特効薬はなく、対症療法が基本です。他の菌の増殖を抑える「抗菌剤」と炎症を抑える「抗炎症剤」の目薬を使います。医療機関を受診し、医師が処方したものを使いましょう。多くは10日ほどで症状が治まります。
Q 気を付けることは?
ヨ 「はやり目」と呼ばれるように、感染力が非常に強い病気です。家庭や学校・職場で周りの人にうつさないよう、感染予防を徹底することが重要です。小まめに手洗いし、ウイルスが付着した手でドアノブを触らない、家族間でタオルを共有しないなどの対策を取ってください。患者は入浴を最後にするか、シャワーにしましょう。
Q 学校はお休みだね。
ヨ 子どもの場合、感染防止のため、学校保健安全法に基づき、感染の恐れがないと医師が認めるまで出席停止となります。大人も職場で感染を広げないよう、よく相談しながら、仕事を休むことも検討した方がいいでしょう。症状が落ち着くまでは安静にして過ごしてください。
(安藤奈々/取材協力=内尾英一・福岡大眼科教授、金子久俊・ほばら眼科院長)
https://yomidr.yomiuri.co.jp/article/20231113-OYTET50004/