【独自】携帯アドレスそのまま、持ち運びOK…大手3社が月内にも新サービス
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの携帯電話大手3社は、携帯各社の契約にひも付いた利用者のメール(キャリアメール)について、携帯会社を乗り換えても続けて利用できるサービスを導入する方針を固めた。月内に有料で始める。これまでは携帯会社間でキャリアメールを持ち運べず、政府は利用者の乗り換えを妨げるとして、各社に改善を求めていた。
大手3社は近く個別にサービスの概要を発表し、一部の社は週内から対応する。料金は各社で設定が異なるものの、いずれも月あたり税込み300円程度となる見通しだ。
キャリアメールは、ドコモであればメールアドレスに「@docomo.ne.jp」という文字が入っており、大手3社は、音声やデータの通信サービス契約にひも付けて一緒に提供してきた。他社への乗り換えで契約がなくなれば、その時点でキャリアメールが使えなくなる。
今後は、契約で通信とメールが切り離されるため、利用者は乗り換え前の携帯会社に料金を支払えば、そのまま利用ができる。例えば、ドコモからKDDIに契約を変えた後、「@docomo.ne.jp」のキャリアメールも使える。
3社が今春、政府の値下げ要請を受けて導入した「アハモ」(ドコモ)をはじめ格安プランに契約を変更した場合にも対応する。格安プランは、キャリアメールのサービスを提供していなかった。
総務省が2020年12月に実施した調査では、キャリアメールの持ち運びを希望する人は約75%に上り、政府は各社に仕組みの変更を求めていた。今年6月には、菅首相(当時)が年内に持ち運べる仕組みが実現するとの見方を示した。