「手足口病」昨年の100分の1、過去最低水準…「コロナ予防で手洗い徹底」
手足や口の中に発疹ができる手足口病の患者数が過去最低の水準となっている。子どもに多い病気だが、7月上旬のデータで、今年は大流行した昨年のわずか100分の1。新型コロナウイルスの感染予防が奏功したとみられている。
国立感染症研究所によると、7月6~12日の1週間に全国約3000の小児科から報告のあった患者数は436人(昨年同期約4万人)。1医療機関あたり0・14人(同12・64人)だった。例年7月下旬から8月上旬がピークだが、この時期としては、1981年に統計を取り始めて以来、最低水準という。
過去の統計でも流行の翌年は患者数が減る傾向がある。感染研の藤本嗣人・感染症危機管理研究センター第3室長は「ヘルパンギーナや咽頭結膜熱(プール熱)といった夏に流行する他の感染症も低水準で推移している。新型コロナの感染予防で手洗いなどを徹底していることが影響している」と分析する。
子どもの感染症に詳しい峯小児科(さいたま市)の峯真人院長は「感染予防に神経質になり過ぎるのもよくない。子どもの心身の発達には社会生活も大事なので、登校や登園も含め、通常通りの生活を送ってほしい」と呼びかけている。