山あいにある広島空港は霧や雲が発生しやすいため、着陸機を滑走路まで誘導する計器着陸装置は国内空港でも最高水準のものが運用されているが、アシアナ航空162便は風向きの影響でこの装置が利用できない東側から進入した。
この際、通常よりもかなり低い高度で滑走路に入ったとみられているが、どんな原因が考えられるのか。
元日航機長で航空評論家の小林宏之さんは「当時、空港周辺の低いところに雲があったようだ。パイロットが滑走路を確かめようと高度を下げ過ぎたか、滑走路までの距離と維持すべき高度を見誤ったのではないか」と推測。「機材故障もありえるが、ヒューマンエラーで起きた可能性がある」と指摘する。
元日航機長で航空評論家の諸星広夫さんによると、破損した着陸誘導用の無線アンテナがある滑走路の手前約300メートルの地点では通常、機体の高度は50~60メートルはあるはずだという。「高さ約6メートルの無線アンテナに接触したのは、滑走路前での高度が低すぎたということ。計器着陸装置が使えなかった場合、手動の着陸になり、もし慣れないパイロットなら緊張するかもしれない」とみる。
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