近年急速に増えている、日本国内で換金できない外国通貨を高額で買わせるなどの悪質商法について、コンゴ通貨の「コンゴ・フラン」など、新たに4種の外貨による被害が相次いでいることが、国民生活センターのまとめで分かった。
最近、新たに同センターや各地の消費生活センターなどに寄せられている被害通貨は、(1)コンゴの「コンゴ・フラン」(2)シリアの「シリア・ポンド」(3)イエメンの「イエメン・リアル」(4)ウズベキスタンの「ウズベキスタン・スム」-の4種。被害内容は「別の業者が高く買い取るので、代わりに契約してほしい」などと嘘をついて買わせられたというもの。高齢者が被害に遭うことが多いという。
「将来、価値が上がるのは間違いないが、パンフレットが届いた人しか両替できない。当社の代わりに両替してほしい」と説明され、127倍の値段でシリア・ポンドを購入した70代女性もいた。
また、過去に投資トラブルにあった人に対して「以前、購入した未公開株を買い取るので購入してほしい」と持ち掛け、代金をだまし取るケースもあった。
これまで、こうしたトラブルの対象だった外貨は5種でイラクの「イラク・ディナール」▽スーダンの「スーダン・ポンド」▽アフガニスタンの「アフガニ」▽リビアの「リビア・ディナール」▽ベトナムの「ドン」。9種の外貨の相談は今年8月末までに総計3831件寄せられ、被害総額は約86億9千万円。中でも最も多いのはイラク・ディナールをめぐる相談で、1416件寄せられ、被害総額は約38億6千万円に上るという。
ベトナムを除く8カ国の通貨は国内の銀行では両替ができず、空港両替所でも両替できない。同センターは「この手の業者の勧誘には一切耳を貸さず、断ってほしい」と注意を呼び掛けている。
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/life/medical/snk20121001077.html