二回の大震災で培った“災害時の情報発信のシステム&ノウハウ”をご活用ください。
災害時要援護者システム全体像
—【 特 徴 】—
- 携帯電話メールへの情報発信と、それを利用した安否確認システム
- 要援護者、支援者、支援団体を含めた相互救援をサポート
- 災害発生時、人員や手間の不足しがちな行政にかわりNPO等外部団体が運営
(システム運営の技術・ノウハウを住民安全ネットワークがサポート)
当NPOのある新潟県中越地方は、2度の大震災と大きな水害に見舞われました。そのような被災地の真っ只中で実際に情報発信を行ってきた『経験』を基に開発されたシステムです。 | |
住民安全ネットワークの要援護者システムは、地元長岡市からの委託事業として実際に『運用』されています。 【資料:長岡市市政だよりに掲載】 |
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住民安全ネットワークは、ケータイメールに向けた防災防犯情報を基幹事業としておりますが、その『会員数』は、2007年12月現在10,000人を超えています。 |
災害時要援護者支援システム Q&A
Q1.要援護者支援に必要な事はなんですか?
A1.大規模な災害発生時は、市民も行政も、各種救援団体も災害により被害をうけ、いわば「皆が被災者」の状態となります。そんな状況下において「誰かの助けを待っている」だけでは、被害は大きくなるばかりです。そんなときだからこそ「お互いに助け合う」という事が必要になるのではないでしょうか?
それは、障がい者でも、お年寄りでも、健常者でも、若者でも同じことです。要援護者システムとは、そんな「相互救援」をサポートするシステムである必要があると考えます。
Q2.なぜ要援護者支援システムが必要なのですか?
A2.大規模な災害発生時においては、救援支援活動をする人員が圧倒的に不足してしまいます。そのため救援支援の活動も一般の健常者を対象とした画一的なものにならざるを得ません。しかし、それにより障がい者やお年寄りなど、支援が必要な人達(要援護者)に対して、支援の手が行き届かないという事になってしまいます。 つまり、あらかじめ要援護者にむけた救援支援システムを構築し、運用できるようにしておかないと、いざ災害がおきたときに、要援護者の支援救援がうまく機能しない。
そのような理由から、要援護者支援システムが求められています。
事実、中越大震災のときに、「避難所での救援物資到着の音声アナウンスが聞こえない」という聴覚障がい者に対し、「紙面対応が必要な方は申し出てください」と音声アナウンスで呼びかけた・・・なんて事例もあるほど現場は混乱してしまうものです。。
Q3.どんな方法で支援するのですか?
A3.当システムでは、携帯電話に向けたメール情報発信を基幹としています。 メールによる災害情報の伝達、避難情報の伝達、災害発生時の安否確認システムにより要援護者支援を行います。
Q4.なぜメールを使うのですか?
A4.災害発生時には電話回線が非常に混雑し電話が繋がりにくい状態となります。そのような中で電話による情報の伝達や安否の確認は非常に効率の悪いものになります。それに比べメールなら、回線混雑時でも比較的つながりやすく、また多くの人に向けて一斉に情報を発信したり、その返答を自働的に集計したりできるため、情報の伝達・安否確認を効率的に行う事が可能です。
Q5.なぜ携帯電話なのですか?
A5.携帯電話はほとんどの方が常日頃から持ち歩く情報伝達ツールだからです。災害時の時のみ使用するような情報端末では、突然やってくる非常事態において、失くしてしまっていたり、忘れてしまったり、使用方法が思い出せなかったりといった可能性があります。
普段から持ち歩き、使い慣れている携帯電話だからこそ、非常時の情報端末として活きるのです。
Q6.携帯電話を使えない人もいるのでは?
A6.たしかに、100%全ての方が携帯電話を使いこなしているわけではありません。対象が要援護者の方々であればなおさらです。 しかし、当システムには「普段使い」と称して「普段から携帯電話を使用し使い慣れていてもらう」ための仕組みも組み込まれています。 それらを通して、使えない人も、システムの中の機能によって使い慣れてもらい、いざ災害が発生したときに情報端末として有効に活用できるようにしています。 逆に、普段から使う携帯電話だからこそ、このような「普段使い」を推奨できると考えています。
「普段使い」推進のための仕組み・ノウハウも当システムに含まれます。
Q7.会員に入ってもらうのが大変なのでは?
A7.当要援護者支援システムでは、非常に簡単な手続きで会員になっていただけるシステムを備えております。 メール会員に入会したい方は、指定のメールアドレス(短く入力しやすいもの)に空メールを送るだけで、後は指示に従い入会しメールを受け取る事ができるようになります。
Q8.個人情報の管理は大丈夫ですか?
A8.パスワード管理などシステム面はもちろんのこと、運用面では管理者を階層化し、最も上の権限をもった管理者しか、詳細な個人情報にアクセスできない仕組みにし、個人情報にアクセスできる人間を最小限にとどめる。また、システムの保守メンテナンスをISO9001:2000取得の信頼できる地元企業に委託し、管理側からの人的な流出も防止しております。
Q9.NPOがシステムを作ったのですか?
A9.我々住民安全ネットワークジャパンが企画し、システムの開発は、地元長岡の「株式会社ナガイ」に委託しています。ISO 9001を取得するなど商品の品質管理に優れたシステム開発会社であり、セキュリティや個人情報の管理の面に優れたシステムとなっております。
Q10.既存のメール配信サービスじゃだめなのですか?
A10.世の中にはメールの一斉配信をおこなうような、メーリングリストやメールマガジンといった配信サービスがたくさんあります。ただ平常時に情報を発信するだけなら、それらメールサービスを使用しても構わないと思います。 しかし、災害発生時のような回線混雑時に、迅速確実にメールを配信できるシステムは、そう多くはないはずです。当システムでは、2004年のNPO設立以来、度重なる大災害を経験、それらの経験を基に改良を重ねてきたメール配信システムを使用しております。
Q11.誰がシステムを運用するのですか?
A11.災害発生時に行政が直接システムを運用し情報を発信・集計するのはあまりにも大きな負担です。 そこで、行政が導入し、地元のNPOなど民間団体により運営していくという方法を推奨しています。
Q12.運用できる民間団体がいないのですが・・・
A12.当NPOでは、地元長岡市にて会員一万人超のメール送信ネットワークを構築し、また長岡市から委託事業として要援護者支援システムの運用をしてきた実績があります。 それらをもとに、要援護者システムを運用する民間団体が、実用にたえるだけの運用体制を整えるまでのサポートを行います。
この運用サポートも、当要援護者支援システムのパッケージに含まれております。
>>参考-ながおか市政だより2007年12月号に掲載
Q13.民間に委託して大丈夫ですか?
A13.当NPOでは、平成19年度より地元長岡市より委託事業として要援護者支援システムを運用しております。2度にわたる情報発信において市内会員への災害情報避難情報の配信を行ってきた実績が評価されたものと考えておりますが、このように民間団体でも実績とノウハウがあれば、逆に行政が直接運用するよりも小回りのきいた民間ならではの手法をとることができます。
Q14.いざ災害が発生したとき、どんなことをすればいいですか?
A14.災害情報としては、河川の氾濫のように水位から予め災害を予測できるものと、地震のように突然訪れるものがあります。 あらかじめ予測できるものは、その経緯をなるべくわかりやすい言葉で、どんな行動(避難など)を起こすべきかをアナウンスする必要があります。 突然起きた災害に対しては、何が起きたのか?どういう状況なのか?を配信し、その後は避難情報などや交通情報などきめ細やかに配信する必要があります。
Q15.災害時の情報配信はどうすればいいですか?
A15.災害発生時は、とにかく非常時という事もあり、さまざまな情報が飛び交います。それらをいちいち吟味して発信していては、時間がかかりすぎます。 とはいえ、無責任になんでも情報を流すと言うのでは、逆に被害を拡大させる事になりかねません。 ベストな方法は、できる限り情報を迅速に流す。 そして、その情報に対しての真偽や続報も的確に伝わるシステム。というものと考えます。
Q16.災害時の情報発信、具体的にどうすれば?
A16.私達のいままでの経験から申し上げます。 次々と入ってくる情報を、いちいちメールで配信していては、きりがないばかりか、受信者側でも整理できず、混乱を生み出してしまいます。 そこで、携帯用ホームページを活用します。 災害が起きたときには、災害情報・避難情報を第一報として配信、その際に詳細・続報ページへのアドレスも配信します。 そして、その後の続報や詳しい情報は、そちらのホームページに次々とアップされていく。という方法をとります。
これは、当要援護者支援システムのパッケージに含まれる機能です。
Q17.要援護者に向けた情報発信で気をつけなければならないことは何ですか?
A17.一口に「要援護者」などと言っても、特に障がいをもっておられる方は、障がいの種類によりニーズは様々です。 例えば、視力の弱い方向けには大きな文字、細かい漢字はつかわない。といった配慮が必要です。 全盲の方においては、主に『読み上げ機能』を使いますので、なるべく同音異義語や記号などを使わず、読み上げたときに伝わりやすくなるような配慮が必要です。 また、聴覚に障がいを持つ方においても、日頃から言葉によるコミュニケーションをしていないので、普段あまり使わない単語や漢字を読み取れない方もいらっしゃいますので、それに配慮した配信が必要となります。 このように要援護者それぞれの事情に気をつけて配信しなければいけません。
Q18.では、具体的にどうすれば?
A18.まず、メール配信、携帯用ホームページ、それぞれにおいて、各障がい者の実情にあわせて複数作成します。
同じ情報を形を変えて配信するための仕組みや効率的な運用方法も、当要援護者支援システムのパッケージに含まれます。