全国各地の消費者センターに寄せられる架空・不当請求に関する相談が増加傾向にあり、今年度は5年ぶりに6万件に迫る勢いをみせている。スマホの普及を背景に、インターネットのサイトやメールを見て飛びつき、悪質業者へアクセスしてしまうケースが相次いでいるとみられる。公的機関を装った業者に相談を持ち掛け、不当な料金を請求される2次被害も目立ち始めた。東京都消費生活総合センターは「公的な相談機関は料金を一切請求しません。被害に遭ったら、あわてずに連絡してほしい」と注意を呼びかけている。
自分が使ってもいないサービスの料金をメールなどで請求してくるのが架空請求、サイトを見ていたら突然高額な料金を請求する画面が表れるのが不当請求だ。この二つは、消費者相談の中で常に上位を占めるが、手口が知られるにつれ減少傾向にあった。
ところが2012年度に再び増加に転じ、国民生活センターの調査によると、今年度は4万7008件(9日現在)と、昨年同期の2万5295件からほぼ倍増。年間6万件に迫るペースにある。同センターは「スマホ絡みの相談が激増している」とし、「スマホは届いたメールからすぐに電話ができるため、悪質業者に連絡してしまい、支払いをさせられるケースも増えている」と説明する。
さらに、公的機関に見せかけて救済をうたい、現金を要求する悪質な手口も目立ち始めた。県内の30代男性は、スマホで誤ってアダルトサイトに接続し、利用料金9万9800円の支払いを求める画面が出た。あわててネットで「消費者センター」と検索。上位に表示されたサイトを名称から公的機関と思い、電話したところ料金数万円を請求する「委任契約書」が届いたという。
そうした業者の中には、廃業勧告を受けながら業務を続ける行政書士や「内閣府の認可団体」などと虚偽の看板を掲げるところもある。都のセンターは「相談する場合は、自治体に公的機関の連絡先を聞くなどして確かめてほしい」と話している。
架空・不当請求にはどう対応したらよいのか。独立行政法人・情報処理推進機構(IPA)によると、架空請求は普通の迷惑メールと同じなので無視すればよいという。不当請求も、表示された画面は自分で消すことができる。パソコンの場合はウイルス感染しているので、感染前の状態に戻す。スマホの場合は履歴を消せばよいという。
IPAは具体的な対処方法をホームページ(パソコン=http://www.ipa.go.jp/security/restore/、スマホ=http://www.ipa.go.jp/security/txt/2014/06outline.html)で詳しく紹介している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150119-00000013-mai-bus_all