実施概要
- 実施機関は2006年12月~1月の2ヶ月間
- 長岡市内新組小学校より協力をいただき実施
- NTTドコモのキッズケータイを1、6年生児童に貸し出し
- 学校と保護者を結ぶメール連絡網を構築
- 上記を活用した防犯訓練や実験を行う
期間中に行う活動・実験
- キッズケータイのGPS機能を活用した児童の登下校の見守り
- キッズケータイの防犯ブザー機能の引き抜き体験・防犯指導
- 不審者声かけ実験---下校中の児童に不審者が声かけを…
- 児童連れ去り実験---実際に児童が不審車両に連れ去られたという想定で行った大規模な実験です。
- 学校・保護者間の携帯メール網による情報共有
実施報告
12/06 防犯ブザー引き抜き体験・防犯教室
実験に協力していただいているキッズケータイ1、6年生に集まっていもらいました。
キッズケータイは、スイッチを引き抜くと防犯ブザーが鳴ります。
そこで、
●実際に引き抜くとどうなるのか?
●どんなときに防犯ブザーを引き抜くのか?
を考えてもらいました。
また、不審者役のスタッフが声をかけ、実際に引き抜くという防犯訓練も行いました。
いくら防犯グッズを身に着けていても、いざというときに使えなければ意味がありません。
どうやって使うのか?いつ使うのか?子ども達に常に考える機会を与えることが大切です。
12/15 声かけ実験
学生ボランティアの協力で、下校時の一年生に「声かけ」をしてもらいました。
いくら防犯ブザーを持っていても、身の危険を感じたときにすかさず鳴らすことができなければ意味がありません。
実験においても、身の危険を感じた際、すぐに防犯ブザーを鳴らせた子供は、ほとんどいませんでした。
避難訓練と同じように、日ごろからの繰り返しの訓練が求められます。
また、この「身の危険を・・・」には、もう一つの重要な課題があります。
それは、声をかけられたら誰彼かまわずに防犯ブザーを鳴らせばいいというものではない。ということです。
子ども達の安全を見守ってくれているのは、基本的には「地域の目」です。防犯ブザーだって、キッズケータイだって、地域の目が合ってこその防犯グッズなのです。
それなのに、子ども達が、近所の人に挨拶されただけで防犯ブザーを引っ張っていたらどうでしょうか?
これでは、子どもを見守る「地域の目」は育ちません。
今回の「声かけ実験」では、その点を踏まえて、声をかける学生ボランティアを2タイプに分けました。
●ただ道を尋ねただけの人
●もう一人は、道を尋ねた後「わからないから一緒に車に乗って」と依頼してくる人
つまり、児童は、いい人、怪しい人、の2つのタイプの通行人から声をかけられるのです。
はたして、その人の区別はつくでしょうか?
結果としては、1年生ではなかなか難しかったようです・・・。
これは、見分け方など絶対的な答えがないものですので、一朝一夕で解決できるものではありません。
しかし、子どもの安全をどう見守るか?という現代社会の問題点を考える上で非常に重要なことだと私達は考えます。
防犯の実験・訓練というまだまだ一般的に認知されておらず、学校や保護者の皆様に受け入れていただくのが難しいのも現状ですが、今後も、このような防犯訓練を取り入れていってもらうような活動をしていきたいと考えております。
12/15 連れ去り実験
下校中の児童が、不審車両につれさられた!
という想定の元に、学校・NTT、9000人の市内メール会員、他多くの方々の協力を経て、大掛かりな実験をおこないました。
実験の内容は・・・
1.下校中の児童が不審車両に連れ去られる。
2.保護者の要請を受け、GPS機能で車両の位置を検索
3.市内9000人のメール会員ネットワークに呼びかけ、不審車両 を発見する。
というものです。
この実験で、GPS機能を使った児童見守りシステムの良い点や問題点など、様々な事が明確になりました。
不審者役のスタッフが、下校中の児童に声をかけます。
このときは、防犯ブザーを鳴らす暇もなく車に乗せられたという設定です。
連れ去り実験の詳しい様子はマスコミ各社でニュース特集として取り上げられています。
今回の実験では、
●GPSの精度の問題
●携帯電話の機能の問題
●実際に動く人の問題
等々、様々な課題が明確になりましたので、今後はそれらを改善しより実用的な「子ども見守り事業」を展開していきたいと考えます。