野菜販売店「京の旬菜」27日開店 中京 自立へ精神障害者ら
地域で暮らす精神障害者の社会参加と自立を目指す地元野菜の販売店「京の旬菜」が27日、京都市中京区西ノ京円町にオープンする。NPO法人(特定非営利活動法人)ハートブライトが運営する「夢花咲塾あけぼの」の試みで、関係者は「利用者の所得増に」と期待を込めている。
「夢花咲塾あけぼの」は1970年に全国に先駆けて精神障害者の施設として設立された「あけぼの会共同作業所」を受け継ぐ施設。長年、紙箱の製作などをしてきたが、利用者の工賃は月平均5千円、皆勤した人で1万円という状況だった。障害者自立支援法で施設利用料も必要となり、利用者の負担が増え所得アップは課題という。
昨年、印刷事業をスタート。さらに利用者から西ノ京円町交差点の南西角という施設の立地を生かし店を開きたいと声が上がり、地域の人に喜んでもらえる新鮮な野菜の店を出すことになった。
利用者が店頭で販売と接客を担う。趣旨に賛同した花園青果卸売市場から野菜を、左京区の辻しば漬本舗から漬け物を仕入れる。
23日、レジの練習を積んだ利用者3人がプレオープンとしてお客さんを迎えた。九条ねぎや黒豆の枝豆、ナスなどが並ぶ店頭で、利用者たちは「繁盛するとやりがいも大きくなる。たくさんの方に来てほしい」と笑顔。杉本和子施設長は「みんなで力を合わせ、この店から夢を咲かせたい」と見守った。