豊中の障害者授産施設 うどんでモンドセレクション金賞受賞
障害者通所授産施設「あすなろ」(豊中市寺内)で作っているうどん「あすなろ麺」が、世界的な食品コンテスト「モンドセレクション」(本部・ベルギー)の2009年金賞を受賞した。コシのあるうどんで地元の名物となっていたが、世界品質として認められたことで、府外などからも注文が寄せられるようになり、通所者らが自立に向けて自信を深めることに役立っている。(高瀬真由子)
あすなろ麺は、職員がうどんの本場、四国で製法を学ぶなどして施設がオープンした平成15年から製造。施設に通う障害者が製麺や乾燥、箱詰めなどのすべての作業を行っている。
なかには製麺の手順を覚えるのに半年から1年かかる人もいるが、苦労して習得しただけに、作業は正確で品質のよさにもつながっているという。無添加、自然素材にこだわったうどんで、近くの福祉施設や病院などに納めているが「コシがあっておいしい」と、地元では評判になっていた。
こうした評判を受けて施設では、通所者らの自信につなげようと、「食の五輪」と呼ばれるモンドセレクションへ出品を決意。「素材へのこだわり」や「通所者の自立支援」などを盛り込んだ英語の申請書を送ったところ、4月に金賞受賞の結果が通知された。
イタリアで行われた授賞式には、通所者と職員らが出席し、メダルと賞状を受け取った。受賞後には、注文が東京や長野などからも入るようになり、現在、7、8人で1日70~75箱(1箱3人前)の生産体制を、2倍にする準備を進めている。
金賞受賞に自信を持ち「うどん屋になりたい」と夢をふくらませている通所者もいるといい、迎和明施設長は「障害があっても、一般企業と同じ高品質のものを作れることを多くの人に知ってほしい。受賞が授産施設の励みにつながればうれしい」と話している。