<障害者白書>「雇用・就業」で差別感じる
政府は26日午前、09年版障害者白書を閣議決定した。白書に盛られた内閣府の調査結果では、障害者が日ごろ差別を感じる事例として、「雇用・就業」分野が最も多かった。就職に際して「壁」の多い障害者が、景気の悪化で不安感を強めていることがうかがえる。
07年に障害者権利条約に署名した政府は、障害者差別を防止するため「何が差別に当たるか」を明確にする方針。これを受け、内閣府が今年1~3月に障害者5071人を対象にアンケートを行い、1654人から4383項目の回答を得た。
障害者が「差別を感じる」としたのは、採用の拒否や制限、職場での差別的な言動など「雇用・就業」分野が最多で、1012事例あった。次いで重度の障害を理由にサービスの利用を拒否されたり、制限されるなど「福祉」分野が726事例▽治療や入院の拒否・制限など「保健・医療」分野が565事例--となった。いずれも日常生活にかかわる項目で、内閣府は「身近な課題で、差別されていることに敏感となっているのではないか」とみている。
障害の程度や種別に応じた教育を行う目的で06年度に導入された特別支援教育制度についても調査した。制度の導入で変わったかどうかを尋ねたところ、「変わった」「やや変わった」は計17・5%しかなかった。内閣府は「2年目で、目に見える形での変化は感じられていない」と分析している。
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