障害者雇用、不況が直撃 三重労働局調べ、解雇は前年度4倍
県内の企業で2008年度に解雇された障害者は44人で、前年度の4倍余りに上ったことが三重労働局の調べで分かった。04年度以来の多さで、雇用情勢の悪化が障害者も直撃した実態が示された。
解雇者の内訳は、身体障害者27人、知的障害者15人、精神障害者2人。44人のうち、30人が昨年11月以降に解雇されており、理由別では事業の縮小、廃止が28人を占めた。
一方、パートタイムを含む新規求職者数は延べ1829人で前年度より3割近く増加。特に精神障害者は41・8%の大幅増となり、知的障害者も36%増えた。
就職した障害者数は3・2%減の666人。身体障害者と精神障害者はほぼ横ばいだが、知的障害者は12%減少した。産業別ではサービス業と製造業で全体の6割強を占め、職業別は生産工程・労務や事務が多くなっている。
県内企業の昨年6月1日現在の障害者雇用率は、1・49%と法定の1・8%を大きく下回り、都道府県別で全国ワースト2だった。
同局職業対策課は「求職者の増加は、障害者の就労意欲が高まっていることの表れでもある」と指摘しており「経済団体などに雇用の維持、拡大を求めていく」としている。