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生かせ障害者アート 企業・NPOが販売や貸出を後押し

 障害のある人が描いた絵を有料で貸したり、商品として販売したり。こんな活動を企業やNPOが後押しし、作者が収入を得られるようにする試みが広がっている。

 神奈川県平塚市にある「工房絵(かい)」。知的障害者のための授産施設で、40人ほどの利用者が絵や織物などを思い思いに制作する。全国のギャラリーや雑貨店からの依頼で毎月のように作品展が開かれる。

 開所は92年。施設長の関根幹司さん(53)が以前勤めていた作業所に、段ボールに木工用接着剤を塗り、紙や絵の具を重ねて楽しむ利用者がいた。バザーに出すと好評だった。「就労の選択肢は多い方がいい。遊びや得意なことを仕事に」とひらめいた。

 工房絵で描くようになり、デザイナーの紹介で東京・代官山のおしゃれな雑貨店にポストカードを置いた。雑誌で紹介され、評判になった。

 絵が売れたら2割が作者の収入になる。カードなどは総売り上げの2割を利用者で分ける。03年から専門の会社に著作権管理を依頼している。

 作者の一人、川村紀子さん(33)は、訪ねてくるファンとの交流を通し、言葉で気持ちを表現するようになった。「認められお金になるのは喜びです」と関根さん。

 人材派遣会社パソナの特例子会社「パソナハートフル」(東京都千代田区)は、04年から「アーティスト社員」制度を始めた。いま17人いる。友永太さん(37)の作品はコップやポストカードになった。月6回、会社が開く講座で絵を描くのが仕事。通常は郵便物の封入作業をする。月給は税込み12万円ほどだ。

 障害者のために、手続きを代行する団体もある。NPO「エイブルアート・カンパニー」(東京都中野区)は身体障害や知的障害のある人の絵を登録し、作品は2千点を超える。使用料は、冊子の表紙で5万円からが目安だ。86年から同様の活動をする「アートビリティ」(中野区)は、社会福祉法人の一部門。約3500点を登録し、冊子のカラーの表紙だと使用料は5万円。6割を作家に支払う。

http://www.asahi.com/national/update/0524/TKY200805240100.html -asahi.com

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