バイオ燃料:給食廃食油で製造 富士・知的障害者就労支援施設、収入源に /静岡
◇利用者14人の収入源に
富士市大野新田の知的障害者就労支援施設「まつぼっくり」(萩原久江所長)で学校給食の廃食油を主原料としたバイオディーゼル燃料(BDF)の製造が17日始まった。市が買い取ってごみ収集車の燃料に使う準備を進めている。施設利用者の自立に向けた収入増と、環境への負荷を少なくする一石二鳥の取り組みだ。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080419-00000043-mailo-l22
BDFは軽油の代替燃料として利用でき、黒煙が出にくく、硫黄酸化物もほとんど出ない特性から、環境にやさしい燃料として全国で広がりを見せている。
今回導入した装置は廃食油100キロとメタノール20キロ、カセイソーダ1キロを混ぜ、1日90リットルのBDFを生産する。廃食油を加熱せず常温のまま粘度を下げるなどの処理が自動的にできるのが特徴。
「まつぼっくり」を運営する市社会福祉協議協議会が、利用者14人の新たな収入源として導入した。当面、市内の小中学校39校のうち22校から廃食油を回収し原料に充てる。今夏からは、市内のスーパーを回収拠点に家庭で使われたてんぷら油なども集める計画だ。
「まつぼっくり」では従来、自前のクッキー製造販売の他、トイレットペーパーの巻き紙などの単純作業を受注してきた。萩原所長は「仕事の幅が広がり、利用者の意欲がわいている。廃食油集めでのあいさつなどでコミュニケーションが図れるうえ、仕事の手順を自分で考えることで就労にも結びつく」と話す。担当職員の藍川博男さんが、装置を作った「BDF」(東京都墨田区)で研修を受けており、運用に万全を期す。
装置はリースで月額6万円。作業棟は木造平屋36平方メートル。建設費約600万円のうち578万円を県の補助金で賄った