障害者自立支援法訴訟:「応能負担の制度つくる」国側が態度一転 /和歌山
◇口頭弁論
障害者自立支援法が障害者に福祉サービス費の原則1割負担を課すのは、「障害者の生存権を侵害し違憲だ」として、和歌山市の男性が国と和歌山市に負担撤廃などを求めている訴訟の第2回口頭弁論が25日、和歌山地裁(大西嘉彦裁判長)であった。全面的に争う姿勢を見せていた国側は、「同法を廃止し、(所得に応じてサービス利用料を負担する)応能負担を基本とした新制度をつくる」と態度を一転させた。
政権交代した民主党の長妻昭厚生労働相が19日、同法を廃止し、応能負担などを柱とする新法を制定すると明言したことを受けたもの。この日の弁論で国側は、「制度の谷間がなく、応能負担を基本とする総合的な制度をつくる」と述べ、準備書面の留保を要請。さらに訴訟の遂行を検討する必要があり時間が欲しいとして、次回期日については「2、3カ月の期間をいただきたい」と求めた。
弁論終了後、脳性まひの障害を持つ原告の大谷真之さん(34)=和歌山市北出島=は「これからが勝負。障害者全体の問題として生活をより良くするために訴えたい」と話した。弁護団は「障害者の訴えに耳を傾ける国の姿勢を見守りたい」と述べた。
原告側は4月に提訴。6月の第1回口頭弁論で、「障害者が生きるために不可欠な支援に対し、負担させるべきではない。最低限の生活をするためにお金を取ることは憲法違反」と主張。国側は請求をいずれも棄却することを求めていた。
今回の訴訟は08年10月に全国8地裁で一斉に提訴され、現在は計13地裁で障害児者63人が原告となっている。24日に広島地裁であった弁論でも国側は同様の方針を示していた。
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