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newsそれから:障害者の製品販売支援、NPO発足1年 /奈良

◇個々の力束ね、低賃金改善--商品開発や販路拡大で自立促進
 障害者施設などで作られる製品の販売を支援し、障害がある人たちの自立を応援していこうと、NPO法人「県社会就労事業振興センター」(藤井正紀理事長)が発足して1年が過ぎた。今年4月からは、奈良市役所に定期的に臨時店舗を出して販売活動を展開しているほか、複数の施設による商品の共同開発や生産も進め、安定した収入が持続して得られる方法を模索している。【泉谷由梨子】
 06年度の厚労省の調査では、福祉作業所や授産施設で働く障害者の月額平均工賃は全国平均で1万2222円と、低額にとどまっている。その中でも、奈良県は9861円しかなく、全国47都道府県で最下位から5番目と厳しい状況だ。このため、施設の収入を増やして障害者の自立を促そうと昨年4月にセンターを設立、6月にNPO法人化した。
 現在の会員は55施設。個々の施設に代わって新製品開発や販路拡大、行政や企業との連携などを請け負い、スケールメリットを生かして、製品の販売力を上げることを目指している。これにより、低賃金状況を改善し、障害がある人の社会参加を後押しする。
 徐々に実績を残し始めている。昨年12月には、県内の金融機関が来店者に配布するポストカードとせっけんのセットなどの製作を受注。仕事は約15の会員施設に分配されたが、センターが仲立ちしたことで、小さな施設にも行き渡った。
 また、奈良市役所では、地下1階の職員互助会売店付近で月に2回、販売スペースを設け、会員施設が交代で店を出している。4回目となった6月16日には、「福祉作遊所 かかしの家」(同市六条2)が出店し、「いらっしゃいませ」と元気な声を張り上げた。昼休みには、多くの市職員が顔を出し、ボランティアらと作った自慢の「かかし味噌(みそ)」(900グラム1000円)や五色の「遷都餅」(650円)を買い求めた。
 役所内での販売は、販路拡大以外にも、制度を作る行政にアピールし、連携を呼びかける狙いも込められている。「かかしの家」の小野加代子施設長は「商品を通じて、施設のことを多くの人に知ってもらいたい」と話す。
 現在は、奈良県を中心に6府県で今月下旬から開かれる全国高校総体の会場で販売する土産品「オリジナル赤米クッキー」の製造を進めている。センターが企画し、商品の開発には15施設が共同で取り組んだ。
 古代米をクッキー生地に練り込み、奈良らしさを打ち出した。試作や品評会を何度も繰り返し、ばらつきのあった味の向上や均一化を図った。生産は各施設が担当し、1箱20枚入りの製品3000箱を用意。収益が出れば、各施設に利益が分配する計画だ。
 このような品質向上の努力をそれぞれの施設で行うことは、これまで少なかった。センターの中山恵子事務局長は「就労に意識を向けてもらうことも一つの目的。ぜひそれぞれの施設に力を付けてもらいたい」と語る。
 クッキーが成功すれば、来年に迫った平城遷都1300年祭に向け、新たな土産商品を開発する計画だ。中山事務局長は「イベントを第一歩とし、持続性のある取り組みを今後も考えていきたい」と話している。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090704-00000265-mailo-l29

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2009年07月09日 13:49に投稿されたエントリーのページです。

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