障害者のうどん、世界品質に=モンドセレクションで金賞-大阪
障害者に働く場を提供する通所授産施設「あすなろ」(大阪府豊中市)で作るうどん「あすなろ麺(めん)」が、世界的な総合食品コンテスト「モンドセレクション」(本部ベルギー)のシリアル部門で、2008年度の金賞を受賞した。同施設の職員らは「もっと売り上げを伸ばして、障害者を経済的に補助したい」と期待している。
「あすなろ麺」は、03年の施設開設当初から作られてきた名物商品。無添加の素材を使用し、練り、裁断、乾燥などの工程を障害者らがすべてこなす。
1パック3食入りで400円。原材料費を差し引いた全収益が障害者らの工賃となる。同施設で働く障害者の工賃は月平均で1万6000円だが、「あすなろ麺」は、お中元やお歳暮の季節には月2000パックを売ることもある人気ぶりで、工賃が月3万円を越すこともあるという。
「知名度や商品価値が上がれば、もっと売れるはず」。職員らの願いは、理事長の「コンテストに出してみたら」の一言で世界に羽ばたいた。欧州ではなじみの薄いうどんだが、調理バリエーションが豊かで無添加であること、何より障害者の自立支援という側面があることをアピールし、見事金賞を受賞した。
迎和明施設長は「『障害者だから』という垣根をなくしたい。受賞をきっかけに、高品質のものを作れると一般の人に認知してもらい、偏見や差別を少しでも払しょくできれば」と、受賞の意義を話す。今後はインターネットによる受注や、近隣のスーパーでの店頭販売なども予定しており、販路を拡大する方針だ。
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