介護現場に障害者の力 老福施設で雇用定着
人手不足が深刻化する介護の現場で、障害者の雇用が増え、新たな雇用先として定着しつつある。沖縄障害者職業センターがあっせんした障害者の全就職先に占める老人福祉施設への就職は、2006年度は100件中24件、07年度は74件中20件。毎年、2―3割が老人福祉施設に採用されている計算だ。施設関係者は「高齢者のゆったりとした行動パターンに障害者のペースが合っているのではないか。『介護の分業』ができるようになり、現場に余裕が生まれ、いいケアにつながっている」と話している。
豊見城市の介護老人保健施設「桜山荘」には現在、障害のある13人が働いている。06年から介護補助として働く上原保美(たもみ)さん(41)=那覇市=は「おじいちゃん、おばあちゃんたちが言葉や表情で返答してくれる時が一番うれしい」と笑顔を見せる。上原さんは2000年に心の病を発症し、外出や人と話すことが怖くなった。就職しても長くは続かなかったが、家族や友人の理解と協力のおかげで少しずつ外出できるようになり、ヘルパー2級を取得し桜山荘に就職。今ではお年寄りの話し相手だけではなくシーツ交換や入浴介助、ケアプラン作成まで行う。
沖縄障害者職業センター・主任障害者職業カウンセラーの吉岡治さんは、老人福祉施設への障害者の就職について「全国的にみても高い。施設間の横のつながりや、施設が多いことなどさまざまな要因が考えられるが、障害者の新たな雇用先として定着しつつあるのではないか」と話す。
施設で介護補助として働いているのは主に精神、知的障害者。知的障害者が通う沖縄高等養護学校(知花久則校長)は、介護現場のニーズを受け、本年度から選択授業で介護ボランティア講座を開講。現在、3年生6人が受講している。同校は「施設への就職が少しずつ増えてきた。介護分野の就労可能性は高い」と期待する。
利用者の生活全般に及ぶ介護の仕事は、約7割が専門的な知識や技能を必要とするが、残りの3割はシーツ交換や清掃など必ずしも専門的な技能は必要ないものといわれる。桜山荘の山下政広事務長は「障害者が入ることで『介護の分業』につながり現場に余裕が出てきた」と利点を挙げる。「例えば、精神障害のある人たちは、若い人と接するのは苦手だが、お年寄りや子どもは大丈夫という人も多い。その人の特性に合った仕事がある」と話している。
(玉城江梨子)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080628-00000005-ryu-oki
コメント (1)
左片麻痺の身障者です。明日からオーヴェルに通うことになり、期待しています。
投稿者: 岩元昭昌 | 2009年03月22日 19:40
日時: 2009年03月22日 19:40