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障害者自立 デザインで力添え 授産品おしゃれに変身

 授産施設でこつこつとつくられる品々を市場で通用するものにしたいと内外の著名デザイナーたちが無償で協力した商品が、都内で開催中の「東京デザイナーズウィーク2007」で披露されている。藍(あい)染めのTシャツの絵柄やパン、クッキーのパッケージを、手作り感を残しながら洗練されたものに一変させた。ファッション界と障害者らの異例のコラボレーションに、百貨店のバイヤーも熱い視線を送っている。

 「障害者のためのデザイン支援プロジェクト」と名付けられたこの取り組みに賛同したデザイナーの一人は、スペインのジュエリーデザイナー、ホアキン・ベラオさんだ。銀座や青山に路面店があるほど日本の若い女性に支持されている。ベラオさんは、福祉施設「藍工房」(東京都世田谷区)でつくられた藍染めTシャツに、白い雲の漂うデザインを描いた。デザインの型紙はマドリードのアトリエから送った。

 同プロジェクトを主催しているのは、社会貢献の情報を発信するNPO法人「ソーシャルコンシェルジュ」(東京都港区)を主宰する林民子さん。林さんの姉で、ファッション誌「ヴォーグ・ニッポン」の編集者、林路美代さんとも協力して、ベラオさんと連絡を取るなどして企画を実現させた。

 林さん姉妹の思いは、「授産品をビジネスとするのに欠けているのはマーケティングの仕組み。それを何とかしたい」だった。Tシャツはベラオさんに描いてもらったが、そのほかの授産品は中身の素朴さを残し、パッケージを一新させることにした。第一線で活躍する日本のアートディレクターらの参加も得て作業所を訪れデザインを提案して、今回のシリーズを完成させた。

 開催中のデザイナーズウィークのブースに並んでいるのは、「第2川越いもの子作業所」(埼玉県川越市)でつくられたせんべい、「笹川なずな工房」(千葉県東庄町)のジャムなどの計6種類。

 ブースを訪れた百貨店のバイヤーたちからは、「売れっ子のアートディレクターらの手でおしゃれになった授産品は魅力的。取り組みの意義も含めて、消費者の心に響くのではないか」(高島屋のバイヤー、小澤奈奈さん)という前向きな反応も出ている。

 「これまで人知れず埋もれていた授産品の魅力をデザインで力添えし、商業ベースに乗ればこんなにうれしいことはない」と参加したクリエーターの一人は、障害者の自立支援につながることを期待している。
 デザイナーズウィークは東京・明治神宮外苑で4日まで開催。

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