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2007年10月16日

中越沖地震発生から3カ月 被災地の「明と暗」

 死者11人、負傷者2314人を出した新潟県中越沖地震は16日で発生から3カ月を迎えた。空き地では、絵本を読み聞かせる青空ライブが始まり、街角に次第に活気が戻ってきた。一方で、仮設住宅の暮らしになじめず、孤独に陥る被災者もおり、心のケアがますます重要になっている。被災地でいま何が起きているのか。被災地の「明と暗」を追った。(永岡栄治)

 裏手で日本海が海鳴りを響かせている。午後6時を過ぎると、辺りは真っ暗。「とくに冬場は海風が強くて自転車に乗れないほど。なぜあそこに建てたのか」。近くの特別養護老人ホームの園長がいぶかる場所に、仮設住宅が63戸並んでいる。
 潮風公園多目的広場の仮設住宅に、五十嵐健三郎さん(76)は9月から単身で入居した。部屋は約20平方メートルの1DK。こたつを置けば、寝る場所もない狭さだ。楽しみはテレビを見ることぐらい。地震でけがをした左ひざの痛みがひどく、足が踏ん張れない。
 周囲には店もない。買い置きしている缶詰やカップラーメンで食事をすませる日々。もうじき冬を迎えるというのに、着替えはない。冬物はいまだに、全壊した家の下敷きになっている。

 震度6強の激しい揺れで、新花町の築100年を超す借家が全壊した。「自室でテレビを見ながら寝ていたら、ズドンと土壁が倒れてきた。一瞬で、起き上がるひまもなかった」。10分以上、土壁の下敷きになり、消防署員に助け出された。
 自力で脱出しようともがいた際に、骨盤がずれ開いてしまった。病院で腹部を切開し、骨盤をボルトでつなぐ手術を受け、8月末まで入院した。
 若いときの離婚から一人暮らし。慣れているようだが、今一番こたえるのが孤独感だという。「誰一人話し相手がいない。ずっと壁を見つめていると、気が変になりそうになる」とつぶやく。
 「ここにいると、地震のことをつい考えてしまう。早く出たい」と、市の紹介する新花町のアパートの抽選が当たるのを心待ちにする日々だ。
 柏崎市によると、仮設住宅に暮らす高齢者の単身世帯は105世帯に上る。

投稿者 kasai : 2007年10月16日 11:34

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