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2007年10月03日

「不要品」子どもたち持ち寄り おもちゃ交換かえっこ盛況 点数つけ「等価」で 二丈町の藤さん 発案者も驚く広がり

 子どもたちが不要になった玩具を持ち寄り、自主的に点数を付けて交換する通称「かえっこバザール」が、静かな人気を集めている。毎週末、全国のどこかで開かれ、心理学の専門家も「子どもの社会性を育てる」と注目する。発案した福岡県二丈町の美術家、藤容子さん(44)も反響の大きさに驚いている。
「不要品」子どもたち持ち寄り おもちゃ交換かえっこ盛況 点数つけ「等価」で 二丈町の藤さん 発案者も驚く広がり-gooニュース

 「かえっこ」の仕組みはこうだ。子どもたちは集まった玩具を「そこそこ」「まあまあ」「なかなか」の三段階で査定する(自分の玩具は査定できない)。査定に応じたスタンプを「かえっこカード」に押し、自分の玩具が受けた査定の範囲内で、ほかの子どもが出品した玩具を選んで「かえっこレジ」で交換できる。

 スタンプとカードも藤さんが考案し今や全国共通の規格となっている。スタンプは大阪市内の指定メーカーに合言葉を伝えると購入することができ、カードは藤さんのホームページ(http://www.kaekko.com/)でダウンロードする。

 9月、福岡市博多区銀天町商店街の広場に大勢の親子が集まり、「かえっこ」が開かれた。

 ぬいぐるみやミニカーなどが雑然と置かれたシートの上で品定めする子どもたち。同市の三筑小1年、中村寧音(ねね)さん(7つ)は迷った末に、ヨーヨーを選んだ。中村さんもぬいぐるみなどを出品しており、ヨーヨーの代金は要らない。母親の美恵子さん(36)は「お金がかからないので助かります」と笑顔を見せた。商店街ににぎわいを取り戻そうと主催した特定非営利活動法人(NPO法人)「そよかぜ」の浜崎和久理事長(70)は「きょうは人が多いね」とにんまりした。

 藤さんが「かえっこ」を着想したのは2000年3月。福岡市内のフリーマーケットに参加し小学1年と園児だった長女と二女の不要になった玩具を出品。続々と子どもたちが集まり長女と二女が接客を始めた。

 「普段は家の手伝いもしないのに。子どもの目の輝きに驚きましてね」。子どもたちが主体的に運営するフリーマーケットができないものかと思案し、「かえっこ」の仕組みを考え付いた。3カ月後、同県前原市の商店街であったイベントで実験して評判になり、ネットに掲載したところ、問い合わせが相次いだ。

 藤さんのホームページには各地から「かえっこ」の開催状況が報告される。8月は茨城県や富山県など11カ所。この7年で各地で300回開かれたという。「もう私の手を離れてしまっています」と、藤さんは笑う。

 九州大大学院人間環境学府の南博文教授(人間環境心理学)は、子どもが主体で運営する点に注目。「子どもたちは『かえっこ』を通して社会を模擬体験し、人との接し方を学ぶことができるのではないか」とみている。

投稿者 kasai : 2007年10月03日 08:34

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