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2007年09月11日

いす、机の脚にボール 静かな教室 授業に集中進行スムーズ 古賀市 全小中学校で導入 発達障害などの子どもに配慮

≪福岡県≫
 いすや机の脚にボールをはめ込み、授業中に生じる雑音を抑える取り組みが、古賀市内のすべての公立小中学校で始まった。古賀市教委はこれまで、計11校にリサイクル用のテニスボール約5万個を配布。各校の教員らが、放課後や夏休みの間に各学年の教室などに取り付けた。難聴や発達障害のある子どもの心の安定にもつながり、授業のスムーズな進行に効果を発揮しているという。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070911-00000024-nnp-l40

 取り組みは2005年4月、国や市町村の責務として発達障害のある子どもの早期発見と継続支援を定めた「発達障害者支援法」の施行を受けて本格化した。県義務教育課によると、個別の学校で同様の取り組みを行う事例はあるが、市町村の教育委員会主導で全公立小中学校に一斉導入するのは珍しいという。
 文科省の調べでは、学習障害(LD)などの疑いのある子どもは小中学生の約6%。音の情報をうまく識別できず、集中を妨げられる子どももいるとされ、教育現場での対応が注目されている。
 同市教委は以前から、読書に集中しやすいよう図書室のいすにボールを取り付けていた。同法施行を機に、教員たちから「難聴傾向の児童には、いすや机の雑音が授業の妨げになっているようだ」との報告が複数寄せられ、一般の教室にも対象を広げることにした。
 使用するボールは、古賀市体育協会や県内のスポーツ店から使用済みのものを無償で調達。千枚通しで穴を開け、ナイフで十文字に切れ目を入れた後、いすや机の脚に1つ1つはめ込んだ。2年間かけて少しずつ作業を進め、今年の夏休み期間中に全校での取り付けを終えた。
 同市花鶴丘の花鶴小学校(三小田清次校長、307人)では、雑音につられて騒がしくなるケースが少なくなり、授業の雰囲気もより落ち着いてきているという。三小田校長は「相手の話に静かに耳を傾ける姿勢を身につけさせる効果もあるようだ」と話す。
 福岡教育大の納富恵子教授(障害児教育)は「雑音を抑えれば授業の効率が上がることが知られ始めている。古賀市の取り組みを機に、ほかの自治体でもより良い環境整備が進むことを期待したい」と評価している。

投稿者 kasai : 2007年09月11日 11:08

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