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2007年07月27日

<中越沖地震>備蓄食糧千人分…地震当日、避難所に届けず

 新潟県中越沖地震が起きた今月16日、柏崎市が同市西山町(旧西山町)の倉庫に備蓄していた約1000人分の食糧を、当日は被災者に一切配っていなかったことが26日分かった。このため同町の避難所の約2400人に食べ物が行き渡ったのは、16日午後11時過ぎだった。市西山町事務所は「備蓄食糧があると知らなかった。もし把握していても、本庁の指示がなく配れなかったはず」と説明。備蓄を管理する本庁の担当者は「事務所が独自に対応してもよかった」と反論している。
 市防災・原子力課によると、市は同事務所が管轄する西山町の住民向けに、事務所近くの倉庫に缶入り乾パン約1000食分を保管。しかし同事務所は町内12カ所の避難所に、地震後すぐに届けていなかった。間もなく備蓄に気付き、17日以降に配ったという。
 同町の16日夜の避難者は約2400人。約250人の避難者がいた同町の南部コミュニティセンターに食べ物が届いたのは午後11時ごろで、本庁から事務所経由で送られた救援物資だった。民間団体が同8時半ごろ、水とおにぎりを高齢者や子供に優先的に配ったが、大半の人には行き渡っていなかった。家族と避難した会社員の男性(50)は「いつ食べ物が届くのか情報がなく、不安なまま過ごした。備蓄があったのなら届けてほしかった」と話した。
 西山町は05年5月に柏崎市と合併している。合併前の04年の中越地震は夕方に発生したが、同町ではその日の夜に約230食分の炊き出しがあった。町が農協と連携し、スムーズだったという。元町幹部は「合併により、以前のような独自の判断や対応が難しくなった」と指摘する。
 都市防災に詳しい長岡造形大学の平井邦彦教授(63)は「中越地震後に進んだ『平成の大合併』の影響で、人口が多く力の強い自治体に裁量権や権限が集中。周縁部では、予算措置を伴う決断などが難しくなっている。地震などの緊急時にこそ、各地域の判断で機敏な対応ができるシステムをつくる必要がある」と話している。

<中越沖地震>備蓄食糧千人分…地震当日、避難所に届けず-gooニュース

投稿者 kasai : 2007年07月27日 05:52

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