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2007年09月29日
小学校における情報共有
「小学校にはケータイを活用した情報共有網が必要だ」と、私たちが叫び始めてから、ここに来てようやく議論が高まりだした気がします。
教育委員会も、それを研究事業として位置付けていますし、研究事業の一環で情報共有網を試験的に導入している小学校に、教育委員会からの依頼で私たちは今週も数回伺って教職員の皆さんと意見交換をしております。
また、昨日は、ある小学校の校長先生からお電話をいただき、小学校における情報共有の在り方、情報共有網の使い方について意見を求められました。
そこで、この機会に一度、私どもの考え方を発表しておきたいと思います。
小学校における情報共有網って、どんなふうに使うべきなのでしょうか?
行事のお知らせ、給食情報、従来は「おたより」で行っていたこれらの連絡事項について、もしも、ケータイ情報共有網を活用して行えば、迅速性や確実性が飛躍的に向上しますので、便利になることは間違いないでしょう。
しかし、そんな程度ならPC用ホームページで十分だという考え方もありますし、最初から、それらの情報伝達に、「おたより」以上の迅速性や確実性は必要としないとお考えの学校も少なくないでしょう。
確かに一理あります。
それでは、次に、不審者情報はいかがでしょうか?
ある校長先生は、「住民あんぜん長岡」への登録を勧めているから、それで十分。
「小学校独自で情報共有網を導入する必要性が、どこにあるの?」とおっしゃます。
不審者情報を保護者に伝えるという観点だけから考えれば、誰が発信した情報であろうと良い訳ですから、そうお考えになるのも無理はありません。
行事にしろ給食にしろ、あるいは不審者情報にしろ、保護者の中にはそういう情報を必要としない人も存在するのですから、ケータイで情報共有するというこについては、人それぞれ様々な考え方があって当たり前なのだと思いますし、そういう観点で考えた場合には、ケータイ情報共有網が学校に必ずしも必要ではないとも言えます。
皆さん、ここで、少しだけ思い出してみてください。
中越大震災、中越沖地震と、二度も立て続けに大きな地震を経験しました。
あの時、学校から私たちに対して、どのような形で情報が伝達されてきましたか?
私たちは、 「便利」とか「情報の伝わる速さ」とか、そんな上辺のもので、小学校にケータイ情報共有網が必要だと訴えてきた訳でありません。
もっと、普遍性の高いもの、それは…「子どもの命」であります。
災害時に、学校と保護者の間で情報を共有し、協力し合って子供達を守って行くために、
ケータイ情報共有網が必要だと申しているのです。
ケータイ情報共有網は緊急時に使うために導入しておく必要がある。
これが、私たちの結論です。
そして、緊急時に役に立つ情報共有網とするために、情報共有網を普段使いしながら訓練しておく必要がある。
つまり、早い話が、行事予定や給食のお知らせ、不審者情報の配信、これらすべては訓練のようなものです。
ケータイ情報共有網を普段から使えば、いざという時の訓練にもなって、なおかつ便利。
便利だから継続可能。
継続可能だから、自然と身について、いざという時に活かすことができる。
学校から保護者に対する情報伝達は、ある一定のバーをクリアできていれば、それで十分。
情報センターではないのですから、それ以上の速さや正確さを求められる筋合いはありません。
しかし、「子どもの命」に関わることであれば、話は別なはずです。
緊急時に「協力して子どもの命を守ろう」と保護者に呼びかけることは、学校として、当然行ってもらわねばなりませんし、そのためにケータイ情報共有網を導入するべきだと思うのです。
そして、ケータイ情報共有網を使うことが、学校に負担の掛かることかと言えばそうではない。
「おたより」を配布するために紙の文書を作る作業よりも、よほど簡単で、負担はむしろ軽くなる。
学校は簡単便利。保護者は情報を速く正確に受け取ることができる。
そして、いざという時に、お互いが力を合わせて子どもたちを守って行くことができる。
どこにも、誰にも、負担が掛からずよいことづくめだと思いませんか?
肝心なのは「子どもの命」。
そのために良いと思うことは何でもしましょう。
私たちの言いたいのは、ただそれだけです。
子どもの命を大切にしましょう。皆で協力して守って行きましょう。
私は、我が子の生死に関わる病気を通し、病院に通い詰める生活の中から、それを痛切に感じましたので、今後も、皆さんに対する呼び掛けを続けて行きたいと思います。
投稿者 kasai : 2007年09月29日 09:08
コメント
「災害時に学校と保護者の間で情報を共有し、協力し合って子供たちを守っていくために、ケータイ情報共有網が必要」とありますが、ここでいう「情報」とはもう少し具体的に分かりやすくいうとどのようなことですか?
投稿者 王道 : 2007年09月29日 22:02
王道さんへ、コメントに対する返信が遅れて申し訳ありませんでした。
さて、小学校が災害時に情報共有網を使って共有する「情報」とは?具体的に、とのことですね。
回答します。
私が言うことは、他人様から見れば戯言と言われるかもしれないのですから、「回答します」なんてえらそうな言い方は誠に恐縮ですが、いま私が考えていることをできるだけ具体的に申します。
平成16年の7.13水害(新潟・福島豪雨水害)の時のことを思い出してみてくださいますか?
ザァーという轟音と伴って降り続く豪雨の中で、広報車のスピーカー音声はかき消されて何も聞き取れない。
家の中にいて、テレビでも付けていれば、外で何が起こってどんな状態なのか、それすら気が付かないでいたかもしれません。
河川の水位状況は行政担当課員によって逐一チェックされ、状況に応じて、地域の区長や学校などに伝えられます。
実際、7.13水害では、区長が一軒一軒を回り、危険を伝えて回ったという事例もあったようです。
さて、その時、学校はどうしたでしょうか?
まずは、
①教職員たちの間の電話連絡網。
②教職員が学校に集められる。
③教職員たちが手分けをしながら保護者たちに電話を掛けまくる。
④保護者間の電話連絡網をまわす。
…といったところでしょうか。
また、学校はいざという時に避難所となる場所ですから、その準備もしなくてはなりません。
学校には、危険が迫った時にやらねばならないことが沢山あるのです。
その時、もしも、小学校にケータイの情報共有網があったら?
①行政からの連絡を受けた校長先生(あるいは教頭先生)が、ケータイ情報共有網で、自分の携帯電話から、メールを発信する。内容は「教職員は学校へ集まれ、保護者は児童の安全確保を」
ケータイ情報共有網があれば、
教職員たちが学校に集まる前に、あっという間に、情報伝達が完了するのです。
投稿者 笠井/事務局 : 2007年10月02日 18:11